PDエアロスペース

PDエアロスペース株式会社

PDエアロスペース株式会社（英: PD Aerospace. LTD.）は、2007年に設立された日本の航空宇宙企業です。この会社は、米国で行われたAnsari X Prizeの宇宙ベンチャーの成功に影響を受けて設立されました。現在、同社は航空機のように離着陸できる有人宇宙飛行機「ペガサス」の開発に取り組んでおり、2027年の打ち上げを目指しています。

企業の活動

PDエアロスペースは、宇宙航空研究開発機構（JAXA）などからの受託開発も行っており、業界との提携を通じて実績を積み重ねています。2016年にはANAホールディングスやエイチ・アイ・エスとの資本提携を結び、これを機に資金を確保しました。また、2017年には愛知県碧南市にある金型メーカーの工場内に研究開発センター（R&Dセンター）を設立。さらに、2018年には新たに大きなR&Dセンターを開設しました。

特筆すべきは、2022年4月に行ったジェット・ロケット切り替え式のパルス・デトネーション・エンジン（RDE）の実証実験が世界で初めて成功を収めたことです。これにより、PDエアロスペースは技術革新において重要な一歩を踏み出しました。

ペガサス

「ペガサス」は、PDエアロスペースの中心的なプロジェクトであり、未来の宇宙旅行を実現することを目指す宇宙機です。一般的なロケットとは異なり、再使用が可能なスペースプレーンとして設計されています。ペガサスは、弾道飛行により高度100kmの宇宙空間への到達が可能です。その特徴の一つは、パルス・デトネーション・エンジンを利用している点で、これにより単一のエンジンで異なる燃焼方式を使い分けることができます。具体的には、高度15kmまでは空気を使用したジェット燃焼を行い、高度15km以上では酸化剤を使ったロケット燃焼に切り替わります。

また、ペガサスは離陸から着陸まで一貫して単一の機体で運行することができ、これにより中途での着陸のやり直しや別の空港への変更も可能となります。2009年には有人機の完成を2014年中に目指すとされていましたが、数回の計画変更を経て大幅に遅延しています。2024年には全長5mの無人機の打ち上げを予定しており、その後、2027年には約14.8mの8人乗り有人機を打ち上げる計画です。宇宙旅行の商業打ち上げについては2029年が見込まれていますが、最近の2023年6月には無人試験機PDAS-X06が初飛行中に墜落する事故が発生しました。

結論

PDエアロスペースは、宇宙旅行の商業化を視野に入れた先進的な取り組みを進めており、今後の展開が期待されます。ペガサスの完成と、その後の商業運行が実現すれば、日本の宇宙産業に大きな影響をもたらすことでしょう。将来的には、一般の人々が宇宙にアクセスできる日が訪れるかもしれません。

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