PENCK

PENCK（ペンク）は、2005年2月18日にKDDI／沖縄セルラー電話から発売された、auブランドの携帯電話です。製造は日立製作所が担当し、製品型番はW31Hとなっています。この端末は、CDMA 1X WINに対応しており、当時のauユーザーにとって重要な通信手段を担っていました。

デザインの特徴

PENCKは、au design projectの第4弾として登場しました。その最大の特徴は、角や突起を極力なくした、滑らかなオーバルフォルムです。この独特な形状は、手に馴染みやすく、ユーザーに優しい印象を与えました。端末のデザインだけでなく、内蔵コンテンツもサイトウマコト氏が手がけており、全体として統一感のあるデザインが魅力です。基本スペックは、同時期に発売されたW22Hと同等であり、着うたフルなどの音楽サービスに対応していました。

対応サービス

PENCKは、当時のauが提供していた様々なサービスに対応していました。

EZ「着うたフル」: 高音質の楽曲をフルサイズでダウンロードして楽しむことができます。
EZ「着うた」: 短い楽曲をダウンロードして、着信音などに設定することができます。
EZナビウォーク: 現在地を地図で確認したり、目的地までの経路を検索したりできるナビゲーションサービスです。
EZアプリ (BREW): BREWプラットフォームに対応した様々なアプリをダウンロードして利用できます。
EZムービー(S/M/L/LL/QVGA): 動画コンテンツを再生できます。
EZチャンネル: 様々なジャンルの動画コンテンツを視聴できるサービスです。
3Dサラウンドスピーカー: 臨場感のあるサウンドを楽しむことができます。
バーコードリーダー(QRコード対応): QRコードを読み取って、URLや情報を簡単に取得できます。

フォントの無断使用問題

PENCKのキートップフォントを巡っては、発売当初、サイトウマコト氏が手書きでデザインしたものが使用されていると発表されました。しかし、ウェブデザイナーの足立裕司氏が、自身が「9031.com」で公開しているフォント「Major Kong」が無断で使用されていることを指摘し、大きな問題となりました。この問題を受けて、KDDIとサイトウマコト氏は無断使用の事実を認め、フォントの製作者である足立裕司氏に謝罪しました。この一件は、デザインにおける著作権の重要性を改めて認識させる出来事となりました。

総括

PENCKは、その独特なデザインと豊富な機能で、当時のユーザーに愛された携帯電話でした。しかし、フォントの無断使用問題は、デザイン業界全体に大きな波紋を広げ、知的財産権に対する意識を高めるきっかけとなりました。デザインの美しさだけでなく、倫理的な側面も考慮する必要があることを示した重要な事例と言えるでしょう。

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