PF-103級フリゲート

PF-103級フリゲート概要

PF-103級フリゲートは、アメリカ合衆国が友好国への軍事支援を目的として建造した艦艇のクラスです。この艦級は、当初イタリア海軍がアルバトロス級をベースに設計したものであり、後にアメリカ海軍自身もその建造権を得て、他国向けに準同型艦を製造することになりました。

来歴

1950年代初め、イタリア海軍はアルバトロス級フリゲートの建造に着手しました。この艦はアンサルド社が設計したもので、戦後初の国産コルベットとして当時のNATO同盟国に提供される予定でした。これにより、アメリカは自国の相互防衛援助協定に基づく資金援助をもとに、アルバトロス級に基づいた艦を他の国々にも提供する計画を開始しました。具体的には、イラン海軍に対して1961年度計画で2隻、1966・7年度に各1隻、さらにタイ海軍向けに1969や1972年度計画で艦をそれぞれ1隻ずつ発注しました。

設計

PF-103級の設計は基本的にアルバトロス級を踏襲しており、特にインドネシア海軍向けに建造されたパチムラ級コルベットとの類似性が指摘されています。艦の武装には、船首尾甲板に50口径76mm単装速射砲が、それぞれ1基ずつ設置されています。これらの砲はMk.63砲射撃指揮装置によって制御され、また後部には56口径40mm連装機銃があるなど、対空防御能力も備えています。

1980年代には、タイ海軍がPF-103級の近代化改修を行い、艦砲を62口径76mm単装速射砲に更新したほか、対空兵器も70口径40mm単装機銃に換装しました。一方、イラン海軍でも同様に改修を進め、ヘッジホッグ対潜迫撃砲を外した後、23mm連装機銃を搭載、その後さらに20mm単装機銃に変更するなどの改良が行われました。2007年には、イラン海軍がPF-103級艦の31番砲を最先端のFajr-27に更新し、新たにC-802艦対艦ミサイルと魚雷発射管を装備するなどの現代的なアップグレードが施されています。

軍艦の役割と影響

PF-103級フリゲートは、役割として主に沿海域での哨戒と防空、対潜任務に活用され、その設計は長年にわたり多くの海軍に影響を与えてきました。アメリカがこの艦を提供することで、友好国の海軍力を強化し、国際的な安全保障を図る一助としました。このような艦艇の建造は、アメリカとその同盟国との関係強化にも寄与しています。

同型艦一覧

本級には様々なバージョンが存在し、それぞれ異なる国で運用されてきました。フリゲートの艦級は、時代に応じた改修と更新を重ねつつ、依然として多くの海軍の一翼を担っています。

参考文献

本艦に関する詳細な情報は、以下の文献から得られます。

• - Friedman, Norman (1987). U.S. Small Combatants, Including PT Boats, Subchasers, and the Brown-Water Navy: An Illustrated Design History. Naval Institute Press.
• - Gardiner, Robert (1996). Conway's All the World's Fighting Ships 1947-1995. Naval Institute Press.
• - Saunders, Stephen (2009). Jane's Fighting Ships 2009-2010. Janes Information Group.
• - Wertheim, Eric (2013). The Naval Institute Guide to Combat Fleets of the World, 16th Edition. Naval Institute Press.

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