PL-01

PL-01：ポーランドが誇る先進的軽戦車の全貌

PL-01は、ポーランドのOBRUM（機械装置研究開発センター）が、BAEシステムズとの提携により開発を進めた軽戦車です。その最大の特徴は、従来の戦車とは一線を画す高いステルス性であり、「ステルス戦車」とも称されています。

開発経緯と現状

PL-01の試作車輌計画が初めて公になったのは、2013年9月2日に開催されたキェルツェ国際防衛産業展でした。当初は2016年の完全な試作車輌完成、そして2018年の量産開始を目指していましたが、計画は結論に至らず、評価後に承認されることはありませんでした。結果として開発は中止され、量産されることはありませんでした。

設計思想と構造

PL-01のレイアウトは、現代の主力戦車と同様に、操縦手が車輌前部に位置し、後部には無人の砲塔が配置されています。車体内部には車長と砲手が搭乗し、さらに後部には4名の兵員を乗せることができます。車体はCV90をベースとしており、モジュール式のセラミック－アラミド複合装甲が採用されています。

装甲と防御力

車体と砲塔の前面内部には、NATO標準規格であるSTANAG 4569付属文書Aのレベル5+に適合する防御力が備わっています。増加装甲パネルを装着することで、発射体に対する防御力をさらに高めることができます。また、IED（即席爆発装置）や地雷に対する防御力も備えており、STANAG 4569付属文書Bのパート4aおよび4bに準拠しています。車輌全体は電波吸収素材で覆われ、ステルス性の向上に貢献しています。

機動性

PL-01は、940hp以上の出力を誇るディーゼルエンジンを搭載し、トルクコンバーター、オートマチック変速装置、操縦補助機構が組み合わされています。緩衝装置には7組の転輪が使用され、前後の2組にはアクティブダンピング機能付きのトーションバーが装備されています。これにより、舗装路上で最高70km/h、不整地で最大50km/hの速度を発揮します。また、30度の傾斜や堤、幅2.6mの壕を克服することが可能で、準備なしで1.5m、準備をすれば5mまでの深さの河川を渡ることができます。

兵装

PL-01の主兵装は、無人砲塔に搭載された105mmまたは120mm口径の砲です。この砲はNATO標準規格に適合し、従来型の弾薬と対戦車誘導ミサイルの両方を射撃可能です。自動装填装置により、毎分6発の射撃速度を確保し、45発の砲弾を携行しています。うち16発は砲塔内のスロットに配置され、即時射撃が可能です。副兵装としては、7.62mm口径のUKM-2000C機関銃を装備し、1,000発の弾薬を携行します。また、遠隔操作モジュールには、7.62mmまたは12.7mm口径の機関銃（750発の弾薬）、40mm擲弾発射器（400発の弾薬）を搭載することが可能です。さらに、アクティブ防護システムを装備し、飛来するミサイルを迎撃することができます。砲塔内には発煙弾発射器も組み込まれています。

電子制御と照準システム

全ての機材は電子制御されており、観測・照準システムにはレーザー測距装置、昼夜間カメラ、第三世代の熱映像処理装置が用いられ、視覚データがスクリーンに表示されます。

その他の装備

PL-01は、砲塔内部と車体に消火システム、車内無線通話システム、アクティブ対発射体防護システム、戦場管理システム、排気冷却システム、熱遮蔽システム、空調フィルターなどを装備しています。搭乗員には、爆発時の衝撃を緩和する特別な座席が用意されています。また、衛星航法システムと敵味方識別装置も搭載する可能性があります。

派生型

PL-01は、直接火力支援任務だけでなく、指揮車輌、装甲補修車輌、地雷除去車輌としても運用できるように構成することが可能です。

参考文献

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関連項目

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