PNET

PNET（郵政総合情報通信ネットワーク）について

PNETは、日本郵政グループにおける重要なネットワークシステムであり、各事業の基幹システムと全国の郵便局を結びつける役割を担っています。この通信ネットワークは、その運用開始以来、いくつもの改良と更新を経て進化してきました。

歴史

PNETの最初のバージョンである第1次PNETは、1987年に運用を開始しました。この当初はATM交換機と専用線を用いて構築され、当時の技術の中では先進的なものでした。しかし、1994年には第2次PNETの更改が始まり、1997年に完成しました。この時期には、官庁主導でのOSI化が進められ、X.25回線の導入が行われました。しかし、OSS化を図った通信システムは他に採用例がなく、当時の端末は高価であったことから、多くの課題を抱えることとなりました。

それにもかかわらず、開発ベンダである富士通、NEC、そして日立などは、新しい技術を取り入れ、X.25 on TCP/IPを用いた工夫を施していました。このような技術革新の促進の中で、1997年にはDelegateを用いたオープンソース製品の採用や、1999年にはRubyによる擬似端末エミュレータの開発が行われるなど、興味深いアプローチも見られました。

第三次PNETとその後の発展

2000年には第3次PNETの更改が始まり、2002年3月に完成しました。この新たな段階では、第2次PNETから引き継がれたパケット通信網とともに、IP通信網が構築されました。IP方式の導入は、通信の効率を高め、より安定したサービスを提供するための重要なステップとなりました。

その後、2006年には野村総合研究所をプライムコントラクタとして第4次PNETの構築を開始しました。第4次PNETでは、パケット通信網が廃止され、完全にIP通信網が主体となります。この重要な移行は2007年から始まり、2年をかけて展開され、最終的に2008年11月に完成を見ました。

第五次PNETの設計・構築

2012年4月には、第5次PNETの構築に向けた準備が始まりました。設計および構築に関わる作業は、アクセンチュア株式会社に委託された他、2013年にはソフトバンクモバイルが拠点側通信網の構築を担当しました。ネットワークの移行については、再度野村総合研究所に管理・調整業務が委託され、2014年には導入および移行が開始されました。2015年6月には、遂に稼働を開始しました。

関連項目

PNET は日本郵政の情報通信基盤としてだけでなく、郵便貯金システムや簡易保険システム等、多岐にわたる関連システムとも連携しています。これにより、日本全体に広がる郵便局との円滑な情報交換が可能となっており、通信ネットワークの重要性が一層強調されています。

外部リンク

• - 速報］郵政公社が600億円で分社・民営化に向けた第4次ネット構築開始：ITpro
• - 郵政民営化、IT部門が乗り越えた5つの試練「試練5：ネットワーク更新が暫定対応と重なる」：ITpro
• - [日本郵政インフォメーションテクノロジー株式会社

PNETの進化は、通信技術の発展と社会のニーズに応える形で続いており、今後もさらなる革新が期待されます。

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