PQ17船団

PQ17船団の概要

PQ17船団は、第二次世界大戦中の1942年に連合国軍がソビエト連邦に提供した援助物資を輸送するために編成された重要な船団でした。この船団はソ連の戦争遂行能力を強化するためのもので、イギリスから北大西洋を経由してアルハンゲリスクとムルマンスクに向かいました。しかしながら、ドイツ軍の攻撃によってPQ17船団は大きな損害を被りました。

PQ17船団の出発

PQ17船団は1942年6月27日にアイスランドのハヴァル・フィヨルドを出発しました。船団には33隻の商船と各種の護衛艦が含まれ、積載物は297機の航空機、594両の戦車、4246両のトラックや装甲車など、多岐にわたる物資でした。その多くはソ連への援助として重要なものでありました。

出発後、船団は強化された護衛艦隊に守られながら進行しましたが、ドイツ軍の潜水艦や航空機による脅威が常に存在しました。特に、PQ17船団の前に運航されたPQ16船団はドイツ軍の攻撃によって大きな損害を受けており、連合国にとっては護衛の強化が急務でした。しかし、地中海での戦闘が激化していたため、主力艦艇を派遣することには躊躇がありました。

最終的に、ドイツ軍の圧力を受けたソ連のスターリン首相の要請もあって、連合国はPQ17の運航を決定しました。

ドイツ軍の接触

発進後の数日間は、幸運にもドイツ軍との接触はありませんでしたが、7月1日にドイツの潜水艦が船団を発見し、7月2日には航空機による最初の攻撃が開始されました。この時、船団は比較的軽微な被害を受けたものの、ドイツ軍による計画的な攻撃は着実に進行していました。

船団の分散

7月4日、イギリス海軍はドイツの水上部隊が動き出している情報をつかみ、船団の分散を命じました。この指示は急なもので、船団は混乱の中で決定を下さなければなりませんでした。結局、船団は分散し、それぞれが孤立した状況で航行を続けました。

攻撃と損失

分散後、PQ17船団の商船はドイツ軍の潜水艦や航空機による激しい攻撃を受け、多くの艦船が沈没しました。7月5日には合計で12隻が撃沈されるという悲劇的な結果に至りました。その後も攻撃は続き、最終的に22隻の商船と153人の乗員が失われ、物資も大規模に損失しました。

結果と影響

PQ17船団の惨事は連合国にとって深刻な教訓となり、船団護衛の体制見直しが迫られることになりました。スターリンはこの大きな損害に対して強く抗議し、さらなる援助を求めましたが、 PQ17の影響により、次の輸送船団の出発も遅れてしまいました。

その後のPQ18船団は、前回の教訓を活かしてより強化された護衛を受けたものの、それでも12隻の商船が失われました。

まとめ

PQ17船団の歴史は、連合国が果たした物資支援の重要性と、それに伴う危険を物語っています。また、この事件は戦争の厳しさと、国際協力の必要性を再認識させるものでした。

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