PQ18船団

PQ18船団の歴史と戦闘経過

PQ18船団（Convoy PQ-18）は、第二次世界大戦中にナチス・ドイツと戦っていたソビエト連邦へと送られた連合国の援助物資を運ぶ重要な船団の一つです。この船団は1942年9月2日、スコットランドのロッホ・ユーを出発し、21日にはアルハンゲリスクに到着しました。

PQ18船団は、以前のPQ17船団が受けた甚大な損害を教訓に、イギリス海軍が新たに空からの援護を付けることを決めました。護衛空母アヴェンジャーがアメリカから供与され、護衛艦隊の中心となります。出発は当初の計画よりも遅れましたが、それは多くのイギリス艦艇が8月に実施された地中海のマルタ島への護衛作戦に関わっていたためです。

参加艦艇

PQ18船団には、合計44隻の商船が参加しました。内訳は、イギリス船15隻、アメリカ船20隻、ソ連船6隻、パナマ船3隻です。護衛部隊はロバート・ブルネット少将の指揮の下、護衛空母アヴェンジャーや軽巡洋艦シラ、複数の駆逐艦から成る戦隊で構成されていました。また、直接護衛を行う駆逐艦や特設防空艦も多く参加しました。援護部隊には戦艦や重巡洋艦も配置され、ブルース・フレーザー中将が指揮を執りました。

航空援護

護衛空母アヴェンジャーには10機のハリケーン戦闘機と3機のソードフィッシュ攻撃機が搭載されていました。イギリス空軍とオーストラリア空軍からなる混成部隊も派遣され、ドイツ軍の戦艦ティルピッツの動向に備えました。この混成部隊は複数の爆撃機と偵察機から構成され、戦闘の準備を整えました。

戦闘の経過

ドイツ軍は第26爆撃航空団から42機のHe111雷撃機と35機のJu 88爆撃機を派遣し、PQ18船団への攻撃を強化しました。これらは護衛艦艇に対する集中攻撃を行うため、雷撃機と爆撃機の同時攻撃を戦術としました。また、潜水艦Uボートも密かに船団の後を追ったが、U-88は駆逐艦フォークナーによって撃沈されました。

9月12日、船団はドイツ軍の飛行艇BV138に発見され、その日のうちに8隻が攻撃を受けて撃沈されました。翌日は激しい空襲が行われましたが、迎撃に成功し、ドイツ機も多数失いました。友軍機も誤射されるなどの混乱があったものの、パイロットは救助されました。

さらに、ドイツ軍の空襲が続く中、タンカー・アセルテンプラーが攻撃を受け放棄され、その後も攻撃は続きました。船団はコラ海峡でのUボート攻撃を受け、計13隻の商船が沈没する結果となりました。

最後に、ティルピッツの出撃は叶うことなく、派遣されたハンプデン隊は一時的にパトロールを行った後、イギリスへと帰還しました。

船団に参加した主な艦艇

この船団には様々な国籍の船舶が含まれ、それぞれ異なる役割を果たしました。次の船舶が代表的です。

• - アフリカンダー（パナマ船籍、空襲により沈没）
• - アセルテンプラー（イギリス船籍、U-457によって撃沈）
• - ブラックレンジャー（イギリス船籍）
• - コープランド（イギリス船籍）
• - ハリウッド（アメリカ船籍）
• - スターリングラード（ソ連船籍、U-408によって撃沈）

このPQ18船団の展開は、第二次世界大戦中の重要な戦略において、連合国の協力と困難を物語る重要な出来事でした。

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