Presto

Presto（プレスト）は、オペラ・ソフトウェアによって開発されたHTML[[レンダリングエンジン]]です。2003年から2013年までの間、主にOperaブラウザのバージョン7から12で使用されていました。その名前は、音楽用語の「presto（急速に）」に由来し、Webページの高速表示を目指した技術でした。

Prestoエンジンの概要

Prestoエンジンは、Operaが以前使用していたElektra（エレクトラ）エンジンに代わって導入されました。このエンジンの特徴は、DOM（Document Object Model）やスクリプトイベントを解析して、複雑なWebページを正確に表示できる点にあります。特に、当時の主要ブラウザと比較して、Web標準への準拠度が高く、Acid2テストに合格していた唯一のクロスプラットフォームブラウザとして注目されました。Acid2は、Web標準への準拠度を測るためのテストスイートです。

開発期間中には、JavaScriptの処理速度を向上させるための最適化やバグ修正が頻繁に行われました。これらの改善により、Prestoエンジンはより高速で効率的なWebブラウジング体験を提供することに貢献しました。

Prestoの終焉と後継エンジン

しかし、2013年2月12日、オペラ・ソフトウェアはPrestoエンジンの開発終了を発表しました。Opera 14からはWebKit、Opera 15以降はGoogleが開発を進めるBlinkエンジンへと移行し、Operaはこれらのエンジン開発に協力する方針へと転換しました。これは、Web技術の急速な進化に対応し、より高性能なブラウジング体験を提供するための戦略的な決断でした。

Prestoが利用された主なアプリケーション

Prestoエンジンは、Operaブラウザの他に、以下のアプリケーションにも採用されていました。

ウェブブラウザ
Opera バージョン7以降
Opera Mobile
ニンテンドーDSブラウザー、ニンテンドーDSiブラウザー (Nintendo DS)
インターネットチャンネル (Wii)
Nokia 770 ブラウザー
myloブラウザ
Webオーサリングツール
Macromedia Dreamweaver MX
Adobe Creative Suite 2

これらのアプリケーションでPrestoエンジンが採用された背景には、その高速性とWeb標準への高い準拠度が評価されたことが挙げられます。特に、組み込みシステムやモバイルデバイスでの利用は、Prestoエンジンの効率性の高さを物語っています。

まとめ

Prestoは、Web技術の発展において重要な役割を果たしたHTML[[レンダリングエンジン]]でした。その高速性とWeb標準への準拠は、当時のブラウザ開発に大きな影響を与えました。現在は後継のBlinkエンジンにその役割を譲りましたが、Prestoの技術的な遺産は、今もなおWeb技術の進化に貢献しています。

参照

Opera Presto 2.1 - Web standards supported by Opera’s core（Opera Developer Community）（英語）
Opera Presto 2.2 and Opera 10 — a first look（Opera Developer Community）（英語）

もう一度検索