PSPP

PSPPは、統計解析を目的とした自由ソフトウェアであり、ユーザーはGUIとコマンドラインインターフェースの両方を通じて操作することができます。このソフトウェアはC言語で記述されており、内部では数値計算にGNU Scientific Library（GSL）が、そしてプロットの描画にはGNU plotutilsが使用されています。

PSPPの開発目標は、商用統計解析ソフトウェアであるSPSSと同等の機能を提供することです。開発プロジェクトは、SPSSのライセンス制限やDRM（デジタル著作権管理）に対する不満から、SPSSと互換性があり、誰でも自由に利用、共有、そして改良できるオープンソースの代替ソフトウェアを作るという強い動機によって推進されています。

特徴

PSPPは、以下のような多様なデータ形式のファイルを読み込むことが可能です。

Excel
Gnumeric
Postgresデータベース
OpenDocument Spreadsheet
CSV
プレーンテキスト

出力形式としては、SPSSの'portable'および'system'形式と、プレーンテキスト形式をサポートしています。

提供されている統計解析機能には、以下のようなものがあります。

T検定
ANOVA（分散分析）
線形回帰分析

さらに、データの変換や並べ替えなどの操作も可能です。

開発の背景

PSPPの開発プロジェクトは、かつて「Fiasco」という名前で知られていました。これはSPSSのクローズドソースと厳しい利用条件に対する反発から生まれました。SPSSのライセンスは期限付きであり、更新しなければ利用できなくなるという状況が、開発者たちにとって受け入れがたいものでした。そこで彼らは、ライセンス期限切れ以外の理由で機能が制限されることのない、SPSSと同等の機能を備え、自由に共有・改良できるソフトウェアを開発することを決意しました。

評価と認知度

PSPPは、その有用性と信頼性から、広く認知されています。例えば、「SPSS For Dummies」という書籍（For Dummiesシリーズの一部）の「Ten Useful Things You Can Find on the Internet」という章で紹介されています。また、2006年には南アフリカ共和国統計協会が主催する会議において、PSPPをSPSSの代替としてどう活用するかを議論するセッションが設けられました。

関連情報

以下に、PSPPに関連する情報源をまとめました。

主な応用数値解析ソフトウェア

gretl：SPSS互換を目指す別のソフトウェア
plotutils：PSPPでプロット描画に使用されるライブラリ
GSL：PSPPで数値計算に使用されるライブラリ

外部リンク

公式ホームページ：公式ホームページ
PSPP開発版ホームページ：PSPP 開発版ホームページ
イギリス SPSS ユーザーグループによるレビュー（英語）
チュートリアル Computing Center（フランス語）
SPSSのデータをRに読み込むためにPSPPを使う方法（英語）
PSPP wiki（英語）
PSPP news blog（ポルトガル語）
PSPPレビュー（スロヴェニア語、Google翻訳による日本語翻訳）

これらの情報を通じて、PSPPの機能や応用についてより深く理解することができます。

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