Persona (浜田麻里のアルバム)

浜田麻里『Persona』：変革と葛藤の1枚

1996年3月11日にリリースされた浜田麻里の16枚目のアルバム『Persona』は、彼女にとって大きな転換期を示す作品となりました。本作から本格的にセルフプロデュースを手掛けることになり、音楽性においても従来のイメージを大きく覆す挑戦的な内容となっています。

セルフプロデュースへの転換

1987年のアルバム『IN THE PRECIOUS AGE』制作のために渡米して以来、浜田麻里は音楽制作のノウハウを蓄積してきました。1993年のアルバム『Anti-Heroine』では、ミックス・エンジニアのビル・ドレッシャーとの共同作業を通じて新たな制作スタイルを確立。「今に繋がっている、私とビルを軸とした制作方法です」と語るように、本作では彼女自身のビジョンがより色濃く反映されています。

音楽性の変化と周囲の反応

『Persona』は、ウェットな感覚のポップスやAOR系の楽曲が多いのが特徴です。この音楽性の変化は周囲から「こんなに変わっちゃったのか」という否定的な反応を呼びましたが、浜田麻里は「それはそれで仕方ないことだとも思っていました」と受け止めています。アルバム『Anti-Heroine』発表後には、メジャーな女性ロックの先駆者としての役割を終えようと考えていたと語り、「もっと先に行きたい」という強い意志があったと述べています。彼女は、従来の殻を破り、新たな音楽のフェーズへ進むことを目指していました。この変化の原動力は、「内なる反逆」であったと振り返っています。

移籍騒動の真相

アルバム『Anti-Heroine』の発表あたりから、浜田麻里は心身の疲労や海外戦略の未熟さ、人間関係に対する不信感を抱えていました。さらに、MCAビクターのA&R担当者からの批判や、事務所スタッフとの軋轢が表面化。浜田自身は移籍を考えていませんでしたが、新聞に「浜田麻里移籍」と大きく掲載されたことで、結果的に移籍せざるを得ない状況に追い込まれました。この移籍騒動により、『Persona』はMCAビクターから発表した最後の作品となりました。

メディアからの評価

『CDジャーナル』では、本作を「彼女くらいのキャリアになると常に前作の延長線上になることも多々あるだろうが、今回はとても新鮮な印象を受けた」と評価。「シングルにもなった『Hey Mr.Broken Heart』の、繊細なサウンドに乗せた彼女の声はどこまでも瑞々しい」と肯定的に評しています。



『Persona』は、浜田麻里が自身のキャリアの中で大きな転換期を迎えた作品であり、彼女の新たな音楽性を提示した重要なアルバムです。セルフプロデュースによって、よりパーソナルな音楽表現を追求し、その後の活動に繋がる重要な一歩となりました。

収録曲

(収録曲名は省略)

参加ミュージシャン

(参加ミュージシャン名は省略)

メディアでの使用

(メディアでの使用に関する情報は省略)

リリース日一覧

(リリース日一覧は省略)

脚注

(脚注は省略)

外部リンク

Mari Hamada Official Siteによる紹介ページ
Persona

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