Plet's

Plet's（プレッツ）とは：ICカード共通ポイントサービスの盛衰

Plet's（プレッツ）は、2001年に開始された共通ポイントサービスです。当時、ICカードの普及促進を目的に、クレジットカード会社が中心となって展開されました。

サービスの概要

Plet'sの仕組みは、Plet'sのロゴが記載されたクレジットカードを保有する人が、提携加盟店で現金またはカード決済をすると、ポイントが付与されるというものでした。Plet'sのICカードが単独で発行されることはなく、クレジットカードに付帯する形でサービスが提供されていました。そのため、Plet'sロゴ付きのカードを持っているだけで、利用の有無にかかわらずPlet's会員としてカウントされていました。

サービス開始の背景と課題

サービス開始当初は、各店舗が個別にポイントカードを発行するよりも、共通ポイントとして広範囲で利用できる方が顧客にとって利便性が高いと考えられていました。また、加盟店側も、顧客管理やポイントカード管理の負担を軽減できるというメリットがありました。クレジットカード会社は、パンフレットや入会申込書で積極的にPlet'sをアピールしていました。

しかし、提携店側にとっては、対応端末の導入・維持コストや、クレジットカード利用に伴う加盟店手数料に加えてPlet's利用料も発生するため、利益が圧迫される可能性がありました。一方、カード発行会社側から見ると、提携加盟店が少なく、利用者が伸び悩むことで運営費が負担になるという課題がありました。このように、カード発行会社と加盟店の双方にとってメリットが少ない状況が、事業縮小につながっていきました。

競合サービスの台頭とPlet'sの終焉

2003年以降、モバイルAMCやモバイルEdyといった、おサイフケータイを利用した決済サービスが普及し始めました。これらのサービスでは、Edy加盟店での決済でポイント相当のマイルが貯まるため、「1ポイントでも無駄にしたくない」「すぐに割引してほしい」というニーズを持つユーザー以外にとって、Plet'sの優位性は薄れていきました。さらに、Plet's自体の認知度が低かったことも、利用が進まない要因となりました。

このような状況を受け、Plet'sは2008年9月30日をもってサービスを終了しました。

ポイント交換先と提携企業

Plet'sポイントは、JCBのOki Dokiポイントと相互交換が可能でした（2008年9月30日で受付終了）。

主な提携カード発行会社は以下の通りです。

JCBグループ
セントラルファイナンス

過去に提携していた企業は以下の通りです。

UFJ銀行
ユーシーカード（2006年5月31日提携終了）
協同クレジットサービス（2006年5月31日提携終了）
UFJニコス（UFJカード - 2007年3月31日提携終了）

主な加盟店は以下の通りです。

ジェイティービーグループの店舗
三城（2006年10月31日提携終了）
* ビックカメラ（一部）

類似サービス

類似のサービスとしては、三井住友カードおよびVJA加盟会社が発行するICクレジットカードの共通ポイントサービス「V POINT」（2001年4月サービス開始）が存在します。

Plet'sは、ICカード普及を目指した共通ポイントサービスとして登場しましたが、加盟店の負担や競合サービスの台頭により、短期間でサービスを終了しました。しかし、その試みは、今日のポイントサービスやキャッシュレス決済の発展に繋がるものであったと言えるでしょう。

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