PowerBook 3400c

PowerBook 3400cは、Appleが1997年に発売したPowerBookシリーズのノートパソコンです。当時、世界最速のラップトップとして注目を集めました。PowerPC 603eプロセッサを搭載し、PCIアーキテクチャ、EDOメモリ、64ビットの内部バスを特徴としています。

スペック

PowerBook 3400cシリーズは、プロセッサの速度によって3つのモデルが存在します。ベースモデルは180MHz、上位モデルは200MHzと240MHzです。モデル名はそれぞれ3400c/180、3400c/200、3400c/240と呼ばれています。3400c/180モデルは内蔵モデムとフロッピードライブのみを搭載して販売されていました。一方、3400c/200と3400c/240モデルには、内蔵モデム/イーサネットのコンビネーションポートと、ホットスワップ可能なフロッピーディスクおよびCDドライブが付属していました。ハードドライブの容量は1.3GBまたは3.0GBのいずれかでした。

名称の由来

PowerBook 3400cシリーズ以前のPowerBookの名称は、搭載されているディスプレイの種類を反映していました。たとえば、PowerBook 1400csはパッシブマトリックス液晶、1400cはアクティブマトリックス液晶を搭載していました。しかし、PowerBook 3400cはすべて同じ15ビットカラーのアクティブマトリックス液晶を搭載していたため、名称末尾の「c」は不要であるとして、Apple自身もマニュアルなどで削除した表記を使用していました。開発中のPowerBook 3400cの内部コード名は「Hooper」で、製品設計エンジニアの犬の名前にちなんで名付けられました。

デザイン

PowerBook 3400cの工業デザインは、PowerBook 5300シリーズから大きな影響を受けていますが、ディスプレイの大型化など、いくつかの重要な変更が加えられました。取り外し可能なドライブベイや、第2のスピーカーを搭載した湾曲したディスプレイハウジングも特徴です。また、PowerBook G3（第1世代）は、PowerBook 3400cと同じ外観デザインを採用しています。

CardBusの互換性

PowerBook 5300シリーズと同様に、3400にはPCカードスロットが搭載されています。5300のものは16ビットデバイスとのみ互換性がありますが、3400のものは理論上32ビットのCardBusカードとの互換性があります。これは、テキサス・インスツルメンツのPCI1130 PCカードコントローラによるものです。実際には、PCカードスロットは物理的に16ビットカードのみを受け入れるように設計されていますが、多くのユーザーはさまざまなCardBusカードを使用できています。CardBusカードを使用することで、USBデバイスやFireWireデバイスを使用できるようになります。

PowerBook 3400cは、当時の最先端技術を搭載し、高性能と拡張性を両立したノートパソコンでした。その革新的なデザインと機能は、後のPowerBookシリーズに大きな影響を与えました。

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