Proceedings (雑誌)

「Proceedings」（プロシーディングス）は、アメリカ海軍協会（USNI）が発行する月刊誌であり、その歴史は1874年の創刊にまで遡ります。日本語では「紀要」と訳されることもあります。全編英語で、毎号96ページで構成されています。

特徴

本誌には、現役および退役軍人による海軍や軍事に関する記事に加え、著名な作家や研究者による特定の問題を深く掘り下げた記事が掲載されています。また、書評のページも設けられています。ウェブサイトでは、「MOST ACTIVE PROCEEDINGS ARTICLES」に掲載された一部の記事を読むことができ、バックナンバーも閲覧可能です。

海軍協会の成立と本誌の創刊

アメリカ海軍協会は、1873年10月9日にアナポリス海軍兵学校で、米海軍の改革を志向する一部の海軍士官が集まって結成されました。協会の運営は会費によって賄われ、その目的は「海軍における専門的、学術的、科学的知識の増進」と定められました。当時、協会は政府の見解を代弁するよりも、むしろ代案を提示する役割を担っていました。

そのような背景の中、本誌は協会の機関誌として1874年に創刊され、「米国における最良かつ最も影響力のある軍事雑誌」としての地位を確立しました。本誌が評価された理由として、創刊当初から議論の自由度が高く、米海軍内で若手の意見を吸い上げて組織改革に活かそうという機運があったことが挙げられます。過去には、後にNaval War Collegeの校長や海軍作戦本部長を務めた人物も、若手の頃に本誌に寄稿しています。

日本での紹介

日本では、一部の海軍関係の軍事雑誌で言及される程度です。歴史的な事例としては、日本海海戦を巡る論争があります。1906年6月号にアルフレッド・マハンが、当時セオドア・ルーズベルト大統領が支持していた大艦巨砲主義とは異なる、小口径混成砲装備戦艦の必要性を論じた論文を掲載しました。この論文に対し、同じく大口径砲主義者であったWilliam S. Sims少佐と論争になりました。最終的には、シムスの論考が海戦の実態を捉えているとして受け入れられ、マハンは敗北しました。

また、他の専門雑誌で取り上げられた例としては、「世界貿易センター」のウェブサイトで、日本海軍に救助されたイギリス海軍士官の戦記が紹介されたことがあります。

1987年には、『戦略対潜戦と海軍戦略』という書籍がアメリカで刊行され、対潜戦に関する具体的な記述がなされました。この本には、原子力潜水艦の静粛化のための工法や、航行中の雑音レベルなどが掲載されていました。Tom Stefanickは、データの出所については特に言及していませんでしたが、本誌の書評を担当したN. Friedmanは、データの信憑性に疑問を呈しつつも、音響・非音響探知技術に関する記述は有益であると評価しました。

平間洋一は、冷戦後の米海軍戦略の転換を論じる際、米海軍が2003年より掲げた「Sea Power 21」という戦略を本協会のウェブサイトから引用しました。また、朝日新聞のウェブサイト「Globe」では、中国海軍の軍備拡張に関する記事で、本誌2010年5月号の表紙に掲載された、ニミッツ級航空母艦が炎上する絵を引き合いに出し、対艦弾道ミサイル（ASBM）による中国の脅威を指摘しました。

関連情報

世界の艦船: 日本で刊行されている艦船専門誌で、本誌経由のニュースも扱っています。
Naval Review: 1912年に創刊されたイギリス海軍の機関誌で、年3回発行されています。

外部リンク

Official site
Sea Enterprise Essay Contest Overview
Sea Wiki: How to Take the Navy's Culture of Innovation to New Depths by LCDR Frederick M. Dini, SC, USN
2006 Essay Contest Winners

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