PureBasic

PureBasicは、Fantaisie Softwareによって開発された商用のプログラミング言語です。BASICをベースとしており、その統合開発環境（IDE）と共に提供されています。対応するオペレーティングシステムは、Microsoft Windows（32ビットおよび64ビット）、Linux（32ビットおよび64ビット）、macOS、そしてRaspberry Piと多岐にわたります。

かつて提供されていたAmigaOS版は、ユーザー数の減少に伴い開発が停止されましたが、現在はオープンソースソフトウェアとして公開されています。この措置はAmigaOS版に限定されたものです。

概要

PureBasicは構造化プログラミングに適したBASIC言語の一種です。特筆すべきはそのコンパクトな実行ファイル生成能力であり、標準システムライブラリのみを利用するため、外部のランタイムライブラリを必要としません。これにより、生成されるアプリケーションやDLLは非常に軽量です。

プラットフォーム固有のAPIを直接利用しないように開発を進めることで、作成したソースコードを複数の対応プラットフォーム上で、ほとんど、あるいは全く修正することなく利用することが可能です。これにより、クロスプラットフォーム開発の効率が向上します。

インラインアセンブラをサポートしているため、PureBasicのコード内に直接アセンブリ言語（FASMのコマンド形式）を記述し、PureBasicの変数を扱うことができます。これは、特に処理速度が求められる場面において、プログラマーのスキル次第で最大限のパフォーマンスを引き出すことを可能にします。

言語には1,000を超える豊富な組み込みコマンドが用意されており、主要なOS機能の大部分に直接アクセスすることが可能です。

統合開発環境は、プロジェクト管理機能を完全にサポートしています。コンパイラはスレッドセーフに対応しており、ブレークポイント設定をサポートする強力なデバッガを備えています。デバッガは、ステップ実行、変数ビューア、ウォッチャなど、一般的なBASIC開発環境に求められる主要なデバッグ機能を網羅しています。

また、PureBasicはOGRE 3Dエンジンとの統合機能を持っています。非公式ながら、Irrlichtを含む他の3Dエンジンも利用可能であるとされています。

デモ版

PureBasicには無料で利用できるデモ版が提供されています。デモ版にはいくつかの機能制限があり、具体的にはデバッグ機能を無効にしたコンパイルしか行えないことや、ソースコードの行数に上限が設けられていることなどがあります。しかし、試用期間に制限はなく、機能を限定された状態で継続的に評価することが可能です。

製品版は、代金を支払ってユーザー登録を行うことで入手できます。ユーザー登録を完了すると、対応する全てのプラットフォーム向けのPureBasicを制限なく利用できるようになります。生成したプログラムの商用利用も自由です。また、一度ユーザー登録すれば、その後の全てのバージョンアップが無料であることが開発元によって明言されています。これらの特徴から、PureBasicは広義のシェアウェアとして位置づけられます。

リリース状況

AmigaOS版については、利用者の減少傾向が顕著になったため、2002年2月23日のバージョン2.90のリリース以降、長らく更新が停止していました。その後、2006年末にバージョン4.00がリリースされましたが、継続的な開発とサポート体制を維持することが困難であると予測されました。そのため、AmigaOS版の開発は実質的に終了し、継続可能な唯一の手段としてオープンソース化されることになりました。

Windows版、Linux版、Mac OS X版については、バージョン4.10以降、すべてのプラットフォーム版が同時にリリースされる方針が採られており、現在もこの方針が維持されています。

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