Rダーター

R-ダーターは、南アフリカ共和国のデネル ダイナミックス社が設計・生産した、アクティブレーダーホーミング（ARH）追尾装置によって誘導される視程外射程（BVR）空対空ミサイルです。ARH誘導方式は、ミサイル自身がレーダー波を発信し、目標からの反射波を捉えて追尾するもので、発射後の母機からの誘導を必要としないため、多目標同時攻撃能力や、発射後の回避運動を可能にします。

設計と開発

R-ダーターは、イスラエルのダービーミサイルと類似している点が指摘されています。外見上の主な違いは、前方可動翼の後方にある小翼の有無程度で、機能的にはほぼ同様と見られています。開発にあたってイスラエルの関与があったことが国際的なメディアで繰り返し報じられていますが、プロジェクトに関わった南アフリカのエンジニアは、イスラエルの関与を否定しています。ただし、1980年代に始まったダービーの開発時に、南アフリカが開発プログラムに参加し、資金を提供していたという経緯があります。

運用状況

R-ダーターは、南アフリカ空軍のアトラス・チーター戦闘機に搭載されて運用されていましたが、チーター戦闘機は2008年4月に退役しました。

ブラジル空軍は、R-ダーターをF-5戦闘機で使用するために評価することを表明しており、デネル社は試験で使用するために、有効期限が近いミサイルを安価で提供する予定であるとされています。

2010年の報告では、R-ダーターがパキスタン空軍によって運用されているとされました。ディフェンスウェブでは、デネル社がパキスタンへ売却した記録はないとされていますが、2010年発行のミリタリーバランスに記載された国際戦術研究所の調査では、パキスタン空軍がR-ダーター視程外射程ミサイルを運用するとされています。この情報の真偽については、様々な見解が存在します。

類似のミサイル

AIM-120 AMRAAM：アメリカ合衆国製の視程外射程空対空ミサイルで、R-ダーターと同様にアクティブレーダーホーミング誘導方式を採用しています。
A-ダーター：デネル社が開発した短距離赤外線ホーミングミサイルです。

R-ダーターは、その性能と開発経緯において、国際的な関心を集めてきたミサイルと言えるでしょう。

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