RING (アーケードゲーム基板)

RINGシリーズの概要



RING（リング）は、2009年2月にセガによって発表された次世代アーケードゲーム用のシステム基板シリーズです。このシリーズは、従来のLINDBERGHシリーズの後継機として位置づけられ、ミドルレンジモデルのRINGEDGE、ローエンドモデルのRINGWIDE、そしてハイエンドモデルのRINGEDGE2の3つのモデルが展開されています。

アーキテクチャと特長



RINGシリーズは、PCベースのアーキテクチャを採用しており、オペレーティングシステムにはWindows XPベースのMicrosoft Windows Embedded Standard 2009を使用しています。ゲームのアプリケーションはDVDで供給される他、ネットワーク対応タイトルについては、ALL.Net P-ras MULTI Ver.2を介してダウンロード配信されます。

セキュリティ面では、RINGシリーズからこれまで使用していたセキュリティキーチップが廃止され、新しいキーチップが導入されました。これは、不正コピー防止の強化策であり、ゲームを適切に起動させるためにキーチップが必須です。これにより、ゲームのセキュリティが向上しました。

起動プロセスとゲームロード



電源を入れると、すぐにBIOSの起動画面が表示され、その後にWindows XPの起動画面が続きますが、一部の古いブラウン管筐体では表示が不完全になることがあります。起動後、RINGシリーズのロゴが現れ、ゲームの読み込み状況が示されます。まずはOSの初期化が行われ、次にゲームイメージがマウントされ、続いてアプリケーションが起動します。システムチェックが終わり、問題が無ければゲームがプレイできる状態になります。

対応タイトルとモデル



RINGEDGEモデルの初めての対応タイトルは、サードパーソンシューティングの『ボーダーブレイク』で、2009年9月から2019年9月まで稼働しました。また、RINGWIDEモデルに最初に対応したタイトルは『歴史大戦ゲッテンカ』で、2009年11月から2011年12月まで稼働しました。さらに、RINGEDGE2モデルでは競馬メダルゲームの『STARHORSE3』が2011年11月から稼働しています。

他のPCベースの基板と比較しても、RINGシリーズはエアフロー対策や入出力の多様性を持ち、業務用ゲームに特化した特長を持っています。たとえば、RINGEDGEとRINGEDGE2は内蔵電源に変更され、FlexATXサイズの電源ユニットが採用されました。これにより電源からのノイズや電圧低下のリスクが低減され、安定した動作が可能です。

修理サポートの終了



しかし、2017年以降、特定のタイトルに関しては筐体の部品調達の難しさやネットワークサービスの終了に伴い、修理サポートが次々と終了しました。多くのタイトルがサービスを終了し、一部ではゲーム機本体の修理が不可能となっています。

基板スペック



RINGEDGE



RINGWIDE



RINGEDGE2



結論



RINGシリーズは、セガが提案した革新的なアーケードゲーム基板であり、高い性能を誇ります。様々なタイトルがこのプラットフォームで生まれ、プレイヤーに新しい体験を提供してきました。今後の技術的進展にも期待が寄せられています。

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