RJRナビスコ

RJRナビスコの歴史と影響

RJRナビスコ（RJR Nabisco, Inc.）は、1986年にアメリカの食品とたばこという異なる産業が統合して生まれた企業です。この合併は、ナビスコブランズとR・J・レイノルズ・インダストリーズのものでした。一見異なる業界の合併が、後の大きな変化や影響を及ぼすこととなります。

設立と初期の経緯

R・J・レイノルズ・タバコは1875年にノースカロライナ州ウィンストン・セーラムで設立され、長い歳月を経て1970年にR・J・レイノルズ・インダストリーズに改称されました。この企業が、1985年にナビスコブランズ社を買収し、翌1986年にRJRナビスコと名称変更したのは、業界内での競争力を高めるための大きな一手でした。

本社の移転

企業の新たなスタートを支えるため、1987年に本社をアトランタへ移転する計画が進められました。新社長F・ロス・ジョンソンは、ウィンストン・セーラムの田舎から離れて、より都市的な環境を求めて本社移転を決定しました。この移転により250人から300人が新たな職場へと異動し、残る社員はウィンストン・セーラムに留まる形となりました。

レバレッジド・バイアウト

1988年には、KKR（コールバーグ・クラビス・ロバーツ）によるレバレッジド・バイアウト（LBO）が行われました。この取引は歴史的な規模であり、企業の所有権を巡る争いが繰り広げられました。当時のRJRナビスコ社長であるジョンソンは、KKRとの交渉で仲介役を果たしましたが、最終的にはKKRが入札に勝利し、事業の掌握を行います。この一連の出来事は、企業の強欲さを象徴する例として語り継がれています。

KKRによる買収後の動き

買収後、RJRナビスコは事業の見直しを行い、様々な子会社や部門を売却する方針を取ります。ナビスコの事業の一部はBSNへ、アソシエイテッド・ビスケッツ・インターナショナルはブリタニア・インダストリーズに売却されたほか、多数の取引が行われました。これにより、企業の再編成が進み、戦略的な焦点が変化していきました。

続く分割と合併

1991年、RJRナビスコは株式を公開し、1999年にはたばこ部門をR・J・レイノルズとして分割しました。この分割は、ナビスコの持株が新たな会社に移行し、最終的にはフィリップ・モリスにより買取られ、クラフトフーヅと合併することにつながります。企業連携の変遷の中で、RJRナビスコは食品業界の一部として新たな局面を迎えます。

結論

RJRナビスコの歴史は、企業合併、買収、再編成を経て、現在のモンデリーズ・インターナショナルという形へとつながります。これらの過程は、企業のあり方やビジネスモデルに多大な影響を与えたことがわかります。転機を経て、企業は新しい成長戦略にシフトし、現在も食品業界における重要なプレーヤーとして存在しています。

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