RQ-11 レイヴン

RQ-11 レイヴンについて

RQ-11 レイヴン（Raven）は、初めに説明した通り、アメリカのAeroVironment社によって開発された小型の無人偵察機です。その名は英語でワタリガラスを意味し、主にアメリカ軍やその同盟国の各部隊によって運用されています。この機体は、近距離の偵察を主眼に置いており、市街地や野外での戦闘における情報収集を行うための重要なツールとなっています。

主な特長と性能

RQ-11の設計においては、小型化と利便性が重視されています。翼幅は1メートル、重量は約2キログラムと軽量であり、そのため容易に持ち運びが可能です。この機体は、手動で投げ上げることで発進する「ハンド・ローンチ」方式を採用しており、特別な発射機を必要としないため、迅速な展開が可能です。

飛行中は、二次電池を活用して電動モーターを動かし、プロペラを回転させて飛行します。最大の上昇高度は海面上で15,000フィート、地上からは最大1,000フィート（約300メートル）まで上昇が可能です。また、飛行速度は45キロメートルから97キロメートル（28マイルから60マイル）で、航続距離は最大10キロメートル（約6.2マイル）に達します。

操縦と制御

RQ-11は地上からの無線操作に加え、GPSを利用した自律飛行を行えるため、使用者のニーズに応じた柔軟な運用が可能です。管制ステーションには一般的なノートパソコンが使用され、ワンプッシュで発進地点に帰還することができます。このような機能は、投資に対して高い実用性を提供しています。

機器と価格

標準的なペイロードとしては、カラーCCDビデオカメラと赤外線ナイトビジョンカメラが搭載されており、これにより昼夜を問わず情報収集を行うことができます。カメラは2015年からはターレットに取り付けられたジンバルにアップグレードされ、安定した映像取得が実現されています。RQ-11の価格は、1機あたり35,000ドル、システム全体では250,000ドルに設定されています。

世界中での運用

現在、RQ-11はアメリカ陸軍、空軍、海兵隊、さらには特殊作戦軍などで5,000機以上が配備されており、その運用範囲は広がっています。さらに、オーストラリア、イタリア、デンマーク、スペインなど、合計19か国がこの機体を採用しており、生産総数は19,000機を超えると言われています。これは、世界で最も生産された無人航空機（UAV）の一つとして位置づけられています。

派生型と登場作品

RQ-11には、レイヴンA（RQ-11A）とレイヴンB（RQ-11B）があり、後者は現在も運用されています。また、この無人機が登場する作品としては、映画『ネイビーシールズ』があり、実際の機材を使用したシーンが含まれています。

RQ-11 レイヴンは、その優れた性能と多国籍での運用により、現代の軍事作戦における重要な偵察ツールとしての地位を確立しています。

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