Rance II -反逆の少女たち-

『Rance II -反逆の少女たち-』

『Rance II -反逆の少女たち-』（ランス2）は、1990年5月15日にアリスソフトから発売されたアダルトゲームであり、人気シリーズ「Rance」の第2作目です。前作『Rance -光をもとめて-』から間もない世界を舞台に、主人公ランスが新たな事件に挑みます。

ストーリー

物語は、自由都市地帯にあるカスタムという町が突然地底に沈むという衝撃的な事件から始まります。調査を依頼されたランスは、事件の背後に「カスタム四魔女」と呼ばれる4人の魔女の存在を知り、彼女たちの退治に乗り出します。

四魔女の正体は、魔法使いラギシスの弟子たちでした。ラギシスは、弟子たちに魔力を転送する指輪を与えていましたが、その指輪には装着者の正気を奪う副作用がありました。弟子の魔想志津香が発狂し、ラギシスを殺害。復讐心に燃える志津香は、他の3人を扇動して禁忌の魔法を使用した結果、カスタムの町を沈没させてしまったのです。

ランスは、四魔女の一人であるマリア・カスタードを犯して正気に戻し、他の魔女たちも同様に指輪の副作用から解放します。その後、復活したラギシスは、ランスと共闘した弟子たちによって倒されます。

登場人物

ランス一行

ランス：本作の主人公。
シィル・プライン：ランスの仲間。
ミリ・ヨークス：ランスの仲間。

ラギシスと弟子たち

ラギシス：魔法使い。
魔想志津香：四魔女の一人。
マリア・カスタード：四魔女の一人。
エレノア・ラン：四魔女の一人。
ミル・ヨークス：四魔女の一人。

その他

芳川今日子
芳川眞知子
* チサ・ゴード


幕間には、アリスソフトのマスコットキャラクター・アリスや、当時のパソコン通信ユーザーも登場します。

システム

本作はRPGであり、基本的なシステムは前作を踏襲していますが、戦闘が「集団戦」に変更されています。また、本作は章立てとなっており、中盤まではランスとシィルをそれぞれ主人公として操作できます。その他、「女の子モンスター」や、ドロップアイテムの調査といった新しい要素も追加されました。

開発

本作は、アドベンチャーゲームのシステムを無理やりRPGとして見せかける形で開発されました。マップを歩く場面では、キャラクターが歩くたびに地面の色が変わるという独特の表現が用いられています。

デザイナーのYUKIMIがファンタジー作品に詳しくなかったため、魔想志津香は魔法使いのステレオタイプのようなデザインになったというエピソードもあります。また、前作では冊子形式だったヒント集が、本作では「ヒントディスク」として初めて制作されました。

PC88への移植は、当時新人だったぷりんが担当。PC98向けに作成されたデータをPC88に移植する際、グラフィックが崩れる問題を、ぷりんが全てのグラフィックを描き直すことで解決しました。

シナリオ

TADAは、本作のシナリオの規模（プレイ時間：6～7時間）が最も優れていたと語っています。テキストの下手さを恥ずかしいと思いつつも、プレイヤーを楽しませるためにアイデアを詰め込み、全6章という長さの中で展開に変化を持たせることを意識したそうです。

物語の途中で視点となるキャラクターが入れ替わるシステムは、TADAが過去にプレイしたゲームからヒントを得たとのことです。

開発（ランス02）

『Rance02 -反逆の少女たち-』（以下：『ランス02』）は、『II』をリニューアルした作品です。開発中にTADAが体調を崩したため、イラストレーターの織音が中心となって企画を進めました。

シナリオやゲームデザインは『II』のままで、TADAは改良を考えていたそうです。また、『ランス02』はファンディスク『アリス2010』に収録されたものの、長年購入手段が限られていました。しかし、TADAが「ランスシリーズを全てプレイできるようにしたい」と考えたため、2023年4月にはアリスソフトの許可を得て、無料で配布されました。

その他

パッケージとマニュアルの表紙には、ストーリーには登場しないナギのイラストが使用されています。

本作はアリスソフトの「配布フリー宣言」対象ソフトであり、ストーリーをまとめたダイジェスト版も配布されています。また、Hシーンのテーマソングとして「我が栄光」が使用されました。この曲は、後にシリーズでも多く使われることになります。

評価

ゲーム雑誌編集者の前田尋之は、MSX2版について、前作ではランス単独での戦いだったのが、本作では仲間との共闘となり楽しみが増したと述べています。また、シナリオはキャラクターに迫った内容で深みが増し、ランスの目的も明確で分かりやすいと評価しています。

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