Regina di WAVE王座

プロレスリングWAVEが認定・管理する最高峰のタイトル、Regina di WAVE王座は、2012年 12月5日に創設されました。「Regina」とはイタリア語で「女王」を意味しており、その名の通り、WAVE所属及び参戦選手の頂点を決定するベルトとして位置づけられています。

創設と初代王者決定トーナメント

王座創設にあたり、初代王者を決定するためのトーナメントが企画されました。当初は、過去の「Catch the WAVE」（WAVEのシングルリーグ戦、通称「波女」）優勝者である桜花由美、GAMI、華名、栗原あゆみの4選手がエントリーされる予定でした。しかし、団体プロデューサーも務めるGAMI選手が「引退まで王座は戴冠しない」という独自の意向を示し、エントリーを辞退。これを受けて、GAMI自身が定めた独自の選考基準「ZAN1」（人気投票、ロイヤルランブル、じゃんけんなどのポイントを合算）によって、波女以外のWAVE参戦経験者の中から選ばれた大畠美咲選手が代替エントリーすることとなりました。

2013年2月17日に行われる予定だったトーナメント1回戦は、栗原あゆみ選手の眼窩底骨折と鼻骨骨折による欠場という予期せぬ事態に見舞われます。これに対し、団体は柔軟な対応を取りました。当初の対戦カードである華名 vs 栗原を延期し、代わりにZAN1ポイントで大畠選手に次ぐ2位だった紫雷美央選手との暫定1回戦を実施。栗原選手が3月17日の決勝戦までに復帰できた場合、この暫定戦の勝者と改めて1回戦を行うこととし、復帰が叶わなかった場合は暫定戦の勝者がそのまま決勝進出というルール変更がなされました。さらに公平を期すため、栗原選手が復帰した場合、桜花 vs 大畠戦の勝者は決勝前にGAMI選手との非公式戦を行う（勝敗は問わない）特例も加えられました。結果的に暫定戦は華名選手、もう一方のブロックは桜花選手がそれぞれ勝利しました。

3月17日、栗原選手が無事に復帰を果たし、改めて華名 vs 栗原の1回戦が行われ、これを制した華名選手が同日行われた決勝戦で桜花由美選手と対戦。激戦の末、桜花由美選手が初代Regina di WAVE王座の栄冠を掴みました。

挑戦資格の変更

2016年以降、Regina王座への挑戦資格はより限定的なものとなりました。挑戦するためには、「Catch the WAVEでの優勝」、「NEXTトーナメントでの優勝」、「その年のZAN1クイーンに選ばれること」、あるいは現王者による「Reginaの逆指名」という、いずれかの特別な条件を満たす必要が生じ、王座の価値と挑戦のハードルを高める制度が導入されました。

一時的な封印と復活

王座の歴史において特筆すべき出来事として、一時的な封印と復活があります。2018年12月、後楽園ホールで行われた大畠美咲選手の引退試合において、異例となるRegina王座戦が組まれました。この試合で大畠選手が勝利し、自身3度目の戴冠を果たしましたが、翌日の引退パーティーにてベルトを返上。これに伴い、王座は一時的に封印されることになりました。

しかし、この封印は長くは続きませんでした。2019年に開催されたCatch the WAVEの優勝者にこの封印されたRegina王座が贈られることが発表され、リーグ戦を制した彩羽匠選手が新たな王者に就き、王座は再び輝きを取り戻しました。

主な記録

Regina di WAVE王座の歴史には、様々な記録が刻まれています。

最多戴冠回数: 大畠美咲（3回）
最多連続防衛回数: 桜花由美（7回）
最多通算防衛回数: 桜花由美、野崎渚（8回）
最長保持期間: 桜花由美（525日）
デビュー最短戴冠記録: 山下りな（3年240日）
デビュー最長戴冠記録: 宮崎有妃（28年350日）
最年少戴冠記録: 朱崇花（19歳296日）
最年長戴冠記録: 宮崎有妃（44歳325日）

Regina di WAVE王座は、プロレスリングWAVEにおける女子レスラーの最高峰として、数々の激闘の舞台となってきました。その歴史は、団体の歩みと共にこれからも紡がれていくことでしょう。

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