S-WORD

S-WORD：渋い声と独自のスタイルでシーンを彩るヒップホップアーティスト

S-WORD（スウォード）、本名下村善正は、1975年10月24日生まれの日本のヒップホップMCである。独特のしわがれた渋い声が特徴的で、NITRO MICROPHONE UNDERGROUNDの元メンバーとしても広く知られている。東京都新宿区出身という生い立ちと、法学者の下村康正を叔父に持つという経歴も、彼の活動に独特の深みを与えている。

MCとしてのキャリア：NITROからソロ、そしてグローバルな活動へ

彼のMC名「S-WORD」の由来は、MACKA-CHINとの小田原城訪問がきっかけ。城内の日本刀からインスピレーションを得て名付けられ、後にMUROによってハイフンが追加されたというエピソードは有名だ。歌詞には当て字や記号を用いることも多く、NITRO MICROPHONE UNDERGROUNDでの楽曲や客演では、しばしばフック（サビ）を担当。音階を重視した歌い回しも彼の特徴と言えるだろう。

1990年代後半から、MACKA-CHINやGORE-TEXらと共に都内のクラブでライブ活動をスタート。その後、MUROプロデュースのショップ『SAVAGE!』でバイヤーを務めながら、MUROのサイドMCとして全国各地を回るなど、地道な活動を積み重ねていった。

1998年、MUROのシングル『K.M.W.(King Most Wanted)』にフィーチャリング参加。これが彼のレコーディングデビューとなった。1999年には12inchシングル「A Smokin' Bluff」でソロデビューを果たし、自らミュージックビデオの制作にも携わるなど、クリエイティブな才能を発揮した。

2002年、メジャーデビューシングル「KROSS OVA'＜斬＞-swisherz deftime fliez-」を発表。続くメジャー1stアルバム『ONE PIECE|ONE_PIECE』はオリコンデイリーチャート3位、ウィークリーチャート7位を記録し、初動10万枚を売り上げるヒット作となった。この成功を機に、彼は全国ツアー『KROSS OVA’JAPAN TOUR』を開催。さらに、ブリトニー・スピアーズやJAY-Zの来日公演でフロントアクトを務めるなど、華々しいステージにも数多く出演している。DOUBLEの楽曲やライブへの客演、椎名純平との共演など、幅広いアーティストとのコラボレーションにも積極的だ。

その後も精力的に活動を続け、2005年には自身の音楽レーベル『NITRICH』、アパレルブランド『NITRAID』、個人活動を支える『DISCOVERYONE.ENTERPRISE』の3社を設立。多角的なビジネス展開にも成功している。

2020年には、NITRO MICROPHONE UNDERGROUNDのメンバーとして長く活動してきたTSUTAYA O-EASTでのワンマンライブ「LIVE20」をもってグループを脱退。ソロアーティストとして、そしてファッションデザイナー、ビジネスマンとして、多方面で才能を発揮し続けている。

ファッションとライフスタイル：ストリートカルチャーを体現する

S-WORDはファッションブランド「NITRAID（旧:nitrow）」のクリエイティブディレクターも務め、ストリート系のファッション誌にも多数登場。ハットやストールなど、彼独自のスタイルを確立している。ONE PIECE|ONE_PIECE愛好家としても知られ、彼のライフスタイルは、音楽活動と密接に絡み合い、独自の文化として確立されていると言えるだろう。

まとめ：音楽とファッション、ビジネスの融合

S-WORDは、ヒップホップMCとしてだけでなく、ファッションデザイナー、実業家としても成功を収めた稀有な存在だ。彼の活動は、音楽、ファッション、ビジネスの垣根を超えた、独自のスタイルを確立した稀有な存在と言える。彼の渋い声と独特の感性は、今後も日本の音楽シーンに大きな影響を与え続けるだろう。

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