SCART端子

SCART端子：ヨーロッパで広く利用されたAV接続端子

SCART端子（Euroconnector）は、オーディオビジュアル機器間の映像と音声信号を同時に伝送できる接続端子です。フランスで開発され、ヨーロッパを中心に広く普及しました。日本ではあまり馴染みがないかもしれませんが、ビデオデッキ、DVDプレーヤー、チューナー、ゲーム機などをテレビに接続するために使用されてきました。

SCART端子の特徴

SCART端子の大きな特徴は、複数の機器を簡単に接続できる点です。ビデオデッキ、DVDプレーヤー、ゲーム機など複数の機器をテレビに接続する場合でも、SCART端子を使用すれば、機器を順番に接続するだけで、全ての機器からの信号をテレビに送ることができます。まるで数珠繋ぎのように接続できるため、配線がシンプルになり、接続作業も容易です。

さらに、SCART端子は高画質な信号伝送を可能としています。S端子やRGB端子と同等の高画質映像を伝送でき、クリアで鮮明な映像を楽しむことができます。

また、SCART端子は、誤った接続を防ぐための形状をしています。コネクタの形状が独特なため、間違った向きで接続することができません。

SCART端子は、約1Vという比較的高い電圧で信号を伝送するため、ノイズの影響を受けにくく、安定した信号伝送が可能です。

信号の種類と伝送方法

SCART端子は、コンポジット映像信号、S映像信号（Y/C分離コンポーネント）、RGB映像信号など、様々な種類の映像信号を伝送できます。コンポジット映像信号は、入力と出力の両方が可能です。一方、S映像信号やRGB映像信号は、一方向の伝送しかできません。

1980年代後半には、S映像信号の伝送に対応するように規格が拡張されました。これにより、より高精細な映像の伝送が可能になりました。

SCART端子とRGB21ピン端子の違い

日本では、RGB21ピン端子がSCART端子と混同されることがあります。しかし、両者は異なる端子です。RGB21ピン端子は、RGB信号専用の端子であるのに対し、SCART端子は、コンポジット信号、S映像信号、RGB信号など、複数の信号を伝送できる端子です。特に、サムスン製のモニターの一部には、RGB21ピン端子と似た形状のSCART端子が使用されているため、注意が必要です。

端子配列

SCART端子の端子配列は、レセプタクル（メス）またはコネクタ（オス）を半田面から見た図で示されます。日本のRGB21ピン端子とは端子配列が異なるため、注意が必要です。端子配列は、音声出力（左右）、音声入力（左右）、映像信号（赤、緑、青）、同期信号、グランドなど、様々な信号を伝送するための端子が配置されています。

まとめ

SCART端子は、高画質映像と音声を同時に伝送できる便利な接続端子です。しかし、日本国内ではあまり普及しておらず、RGB21ピン端子と混同される可能性もあるため、注意が必要です。SCART端子を使用する際には、接続機器の端子種類や信号の種類などを確認し、適切な接続を行うことが重要です。

関連用語

コンポジット信号
コンポーネント信号
S端子
RCA端子
* RGB21ピン端子

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