RGB21ピン

RGB21ピン端子：アナログ映像音声伝送端子の詳細

RGB21ピン端子は、アナログ方式で映像と音声を伝送するための端子です。形状はフランスで標準化されたSCART端子と同一であり、コンポジット映像信号、RGB映像信号、2チャンネルの音声信号の伝送が可能です。しかし、日本では主にゲーム機や一部のパソコンにおけるRGB接続手段として広く利用されてきました。そのため、コンポジット接続は省略されることが多く、「RGB21ピン端子」という名称が定着しています。この端子は、EIAJ (EIAJ CPR-1201)によって規格化されています。

RGB21ピン端子と他の接続方式との違い

RGB21ピン端子は、PC/AT互換機|PC_AT互換機などで一般的なD-sub15ピンVGA端子とは異なり、垂直同期信号(V SYNC)と水平同期信号(H SYNC)を個別に伝送しません。代わりに、アナログテレビと同様に15.75kHzの複合同期信号(C SYNC)を使用します。このため、240pや480iを超える高解像度の表示には対応していません。現在のパソコンのモニタ端子としては使用することはできません。

日本では、MSX2パソコン用モニタ、PC-9801用モニタの一部機種などでRGB21ピン端子が採用されていました。また、NTSC対応のモニタの中には、複合同期信号を水平同期信号と垂直同期信号に分離する同期分離回路(LM1881Nなど)を搭載しているものもあり、変換ケーブル自作によってこの端子を使用可能にすることもできました。市販の変換ボックスも存在していました（電波新聞社XSYNC-1など）。FM TOWNS用の一部モニタは複合同期信号入力に対応しており、21ピンから15ピンへの変換ケーブルを用いることで表示が可能でした。

端子配列と信号仕様

RGB21ピン端子の配列は、レセプタクルまたはプラグを半田面から見た図で示されます。ただし、本来のSCART端子とは配列や用途が異なる点に注意が必要です。

使用しない端子はNC(無接続)とすることが可能です。信号線とグランド線は、同軸ケーブルまたはより線を使用し、インピーダンス整合をとることが望ましいです。信号仕様は以下のとおりです。

コンポジット・ビデオ信号: 通常のビデオ端子(黄)と同じ。複合同期信号が重畳されており、0.7Vp-p、75Ω整合。
RGB映像信号(赤、緑、青): 正極アナログ信号、0.7Vp-p、75Ω整合。
音声信号: 0.4Vrms、入力インピーダンス47kΩ、出力インピーダンス10kΩ。
Ys: HレベルでRGB入力、Lレベルでコンポジット入力。Lレベルは0-0.4VDC、Hレベルは1.0-3.0VDC、75Ω整合。
Ym: Hレベルでコンポジット信号がマスクされる。レベルとインピーダンスはYsと同じ。
AV: 入力切替信号。Hレベルでこの端子からの入力が有効となる。TTLレベル、22kΩ整合。

RGB21ピン端子に対応する機器

多くのゲーム機やパソコンがRGB21ピン端子に対応していましたが、純正ケーブルの有無や、改造を必要とするケースも存在しました。対応機器の例としては、スーパーファミコン、PlayStationシリーズ、セガサターン、ネオジオ、MSX2、PC-9801シリーズ、FM TOWNSシリーズなどがあります。一部の機器では、純正ケーブルが音声ノイズの問題を抱えていたり、高画質化のための改造が必要な場合もありました。また、ファミコンやNINTENDO64、ドリームキャストなどでは、内部信号の取り出しやDACによる変換など、高度な改造が必要となるケースもありました。

まとめ

RGB21ピン端子は、現在ではほとんど使われなくなりましたが、日本のレトロゲーム機やパソコンの歴史において重要な役割を果たした端子です。その接続方法や信号仕様、対応機器などを理解することで、レトロゲームやパソコンの理解が深まります。

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