SDM-R

アメリカ陸軍分隊マークスマン・ライフル（SDM-R）

アメリカ陸軍における分隊マークスマン・ライフル（SDM-R）は、歩兵部隊に対し、より精確な火力支援を提供するために設計されたセミオートマチックライフルです。このライフルは、もともとM16自動小銃を基に改良が施され、特に長距離での射撃精度を重視しています。

背景

アメリカ軍は、戦闘時に選抜射手を小隊や分隊単位で配置する戦略を持続的に採用してきました。特に、アメリカ海兵隊では分隊上級射手マークスマン（SAM）およびそのライフル（SAM-R）の実験が行われました。この流れを受け、第3歩兵師団も分隊選抜射手として個々の兵士に向けた訓練プログラムを策定し、SDM-Rを開発しました。分隊選抜射手は、主にライフル手として任務に当たり、小銃手が射撃しにくい距離や状況での効果的な支援を行うことが求められます。

SDM-Rは、特定の師団のために開発されたため、アメリカ陸軍全体のプログラムには組み込まれていませんが、その精度は600メートルまでの射撃能力を持ち、特にアメリカ特殊作戦軍の要求とも一部重なる部分があります。

教育と訓練

アーカンソー州のキャンプ・ジョセフ・T・ロビンソンでは、分隊選抜射手コースが行われており、兵士は指定された上官の指導の下でM16A4を使用して1,500発以上の射撃を行います。また、テキサス州キャンプ・ブリスでは小火器予備役グループタスクフォースがSDMコースを運営しており、インストラクターはハンドで上位に入賞した経験を持つ者が多く、質の高い指導が行われています。

仕様

レシーバー

SDM-Rの上下レシーバーは、アメリカ陸軍射撃部隊（AMU）によって製作され、基本的にはアーマライト社の自動小銃かコルト、FNハースタルのM16A2およびA4をもとにしています。ライフルは全てM16A2の銃床と、半自動射撃専用の競技用引き金を装備しています。アッパーレシーバーはフラットトップ型であり、従来のSAM-RやMk12特殊目的ライフルに見られるような拡張フィードランプは取り入れられていません。

銃身

銃身はM16A2及びA4と同じ長さであり、12の溝が切られた軽量のステンレス鋼製で、SDM-Rは同一のフラッシュハイダーを使用しています。照準器に関しては、光学式の4×32 ACOGを装着可能で、Matech Industries製のアイアンサイトも採用されます。

ハンドガードと二脚

ハンドガードはダニエルディフェンス社のM4レール式を採用し、フリーフローティング構造により、銃身への影響を最小限に抑えることができる設計となっています。二脚はハリス社製で、銃身に直接接触することなく設置可能です。

派生系

第82空挺師団ではM4カービンをベースにしたSDM-Rのバージョンも検討されたが、具体化には至りませんでした。このような開発の試みは、部隊が直面する多様な戦局に対する柔軟性を持たせます。

結論

アメリカ陸軍の分隊マークスマン・ライフルは、多様な戦場環境での有効性を高めるために設計され、特に分隊レベルでの火力支援において重要な役割を果たすことが期待されています。

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