SDS-4

SDS-4: 小型実証衛星

SDS-4（Small Demonstration Satellite - 4）は、日本の宇宙航空研究開発機構（JAXA）が開発した小型の実証衛星です。2012年5月18日に「しずく」と呼ばれるペイロードに相乗りして打ち上げられました。この衛星は、50kg級の三軸制御衛星バス技術の確立と、先進技術の実証を目的としています。打ち上げ後の2019年12月には、スカパーJSATに譲渡されました。

バス機器と技術

SDS-4は、将来的にも利用できるように設計されたバス機器を搭載しています。この設計には、搭載計算機（OBC）、電力制御器（PCU）、S帯通信機（STRX）、小型MEMSジャイロが含まれており、これらは新たに開発されたものです。また、この衛星は、高精度の三軸姿勢決定と制御が可能であり、国内の50kg級小型衛星として初めてスタートラッカー（STT）とデジタル太陽センサ（DSS）を装備しています。

ミッション内容

SDS-4は、以下の4つのミッションから構成されています。

1. 衛星搭載船舶自動識別実験（SPAISE）
このミッションでは、自動船舶識別装置（AIS）の受信システムの機能や性能について、軌道上での確認を行い、その結果から衛星利用の可能性を検証します。

2. 水晶発振式微小天秤（QCM）
軽量でコスト効率の良い国産の水晶発振式微小天秤を実証するために、開発から運用までの過程で衛星の汚染環境を計測します。

3. 平板型ヒートパイプ軌道上性能評価（FOX）
このミッションでは、平板型ヒートパイプ（FHP）の軌道上での実証を行い、地上での試験および理論モデルとの比較評価を行います。

4. THERMEを用いた熱制御剤実証実験（IST）
JAXAとフランス国立宇宙研究センター（CNES）が共同開発した新しい熱制御剤「THERME」の太陽光吸収率や、軌道上での劣化特性を計測することを目指します。

ショートサマリー

この衛星は、最新技術の実証に重要な役割を果たしており、様々なミッションを通じて、運用可能な技術の信頼性を高める手助けをしています。これにより、今後の宇宙開発における進展に寄与することが期待されています。

関連項目

• - 宇宙航空研究開発機構 (JAXA)
• - H-IIAロケット
• - 地球環境変動観測ミッション
• - マイクロラブサット
• - 小型実証衛星
• - SDS-1
• - SERVIS-1, SERVIS-2, SERVIS-3 - USEFの実証衛星

外部リンク

JAXA 小型実証衛星4型「SDS-4」

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