SELECTION 1973-78

オフコースの『SELECTION 1973-78』は、彼らが1978年5月5日に発表した初のベスト・アルバムです。このアルバムは、1stアルバム『オフ・コース1 ⁄ 僕の贈りもの』から5thアルバム『JUNKTION』までのオリジナル・アルバムから、メンバー自身が厳選した12曲に、当時の最新シングル2曲を加えた、全14曲で構成されています。

アルバムの企画は、プロデューサーの武藤敏史氏から提案されたものでした。当初、メンバーは「レコード会社的な発想だ」と感じ、あまり乗り気ではなかったようです。しかし、武藤氏は「これだけ良い曲がたくさんあるのだから、ベスト・アルバムを作っておいた方が良いのではないか。ベスト・アルバムを聴いてもらえれば、それがファンにとって、オリジナル・アルバムへと遡るための良いきっかけになるはずだ」と考え、メンバーを説得しました。また、武藤氏は「今回は『73年～78年』という形でまとめたが、5年後には『79年～83年』という形で、次のベスト・アルバムをぜひ作りたい」とも語っていました。

『SELECTION 1973-78』は、オフコースの初期の音楽活動の集大成であり、彼らの音楽的な変遷を辿る上でも重要な作品です。収録されている楽曲は、いずれもオフコースの代表作と言えるもので、「やさしさにさようなら」、「僕の贈りもの」、「秋の気配」など、多くのファンに愛される名曲が揃っています。

2005年には、レコード・デビュー35周年を記念して、エキスプレス・レーベル在籍中のオリジナル作品が紙ジャケット仕様でリイシューされました。この際、24ビット・デジタル・リマスタリングが施され、音質が向上しています。また、2009年にはSHM-CDフォーマットで再発され、より多くの音楽ファンに届けられました。

収録曲

SIDE A
1. やさしさにさようなら
2. 通りすぎた夜
3. 僕の贈りもの
4. でももう花はいらない
5. 水曜日の午後
6. のがすなチャンスを
7. 別れの情景I

SIDE B
1. 眠れぬ夜
2. ワインの匂い
3. 愛の唄
4. こころは気紛れ
5. 青春
6. 潮の香り
7. 秋の気配

クレジット

歌・編曲：オフコース
リマスタリング・エンジニア：相川洋一 (ローリング・サウンド・マスタリング)
ジャケット資料協力：喜多雅美 (サウンドステーション)
ライナーノーツ：田家秀樹

『SELECTION 1973-78』は、オフコースの音楽を初めて聴く人にとって、入門盤として最適なアルバムと言えるでしょう。また、長年のファンにとっても、彼らの初期の作品を改めて見つめ直す良い機会となるはずです。彼らの音楽の魅力が凝縮されたこのアルバムを、ぜひ一度聴いてみてください。

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