SH-08C

TOUCH WOOD SH-08C：世界初の木製携帯電話

TOUCH WOOD SH-08Cは、シャープがNTTドコモ向けに開発した、FOMA対応の第三世代携帯電話です。2009年のCEATEC JAPANで参考出品された後、商品化され、2011年3月28日に発売されました。最大の特徴は、世界初となる木製筐体です。四万十川流域産のヒノキの間伐材を使用し、オリンパスの三次元圧縮成形技術によって、強度、防虫、防カビ、耐水性を確保。環境保護への配慮と、革新的な技術の融合が実現されています。

このプロジェクトには、シャープとNTTドコモに加え、オリンパス、そして森林保全プロジェクトであるmore treesも参画しました。more treesは、坂本龍一氏ら著名なアーティストや知識人が発起人となり、世界の森林保全活動に取り組んでいます。SH-08Cは、その活動の一環として開発され、携帯電話の筐体だけでなく、取扱説明書にも間伐紙を使用するなど、環境への配慮が徹底されています。

デザインは、丸みのある豆型で、全面フルタッチパネルを採用。直感的な操作性を実現しています。ユーザーは、よく使う機能を待受画面に自由に配置でき、スマートフォンライクなカスタマイズが可能です。文字入力は、QWERTYキーボードやフリック入力に対応。さらに、more treesが提供する「森を感じる」をテーマとしたコンテンツも内蔵され、木製の筐体と相まって、自然を感じさせるインターフェースとなっています。

機能面では、iモード、iチャネル、iコンシェル、ドコモWebメール、待ち受けキャラなど、一般的な携帯電話機能を網羅。さらに、トリプルくっきりトークによる高音質通話、歩数計、i Bodymoとの連携など、健康管理にも配慮した機能も備えています。カメラ機能も充実しており、シーン別切り替え、ペット検出、自動顔登録、ゴルフスイングビデオカメラなど、多彩な撮影機能を搭載。手書き機能や手書き認証も利用可能です。

ただし、ワンセグやおサイフケータイ機能は搭載されていません。その他の機能は、同時期に発売されたSH-06CやSH-05Cと類似しています。搭載アプリも豊富で、楽オクアプリ、Gガイド番組タッチ、地図アプリ、株価アプリ、iWウォッチ、電子辞書など、様々なニーズに対応できるアプリがプリインストールされています。

TOUCH WOOD SH-08Cは、15,000台限定生産という希少性も相まって、発売当時大きな話題となりました。先行販売では、オンラインストアで開始わずか数時間で2,000台が完売するなど、高い人気を誇りました。環境への配慮と先進技術、そして希少性という三拍子が揃った、まさにプレミアムな携帯電話と言えるでしょう。その独特の質感と機能性は、今もなお多くのコレクターを魅了し続けています。

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