SH-3 シーキング

SH-3シーキング (SH-3 Sea King)

SH-3シーキングは、アメリカのシコルスキー・エアクラフト社によって開発された双発の哨戒ヘリコプターです。この機体は、アメリカ海軍のH-34チョクトーの後継機として1957年に開発が始まりました。初飛行は1959年3月11日に行われ、1961年にはHSS-2シーキングとしてアメリカ海軍の公式な運用が決定されました。1962年には航空機名規則の改正により、HSS-2はSH-3に改称されました。

SH-3シーキングは主に対潜戦に特化した航空機ですが、その機能は多岐に渡ります。対潜戦以外にも、対艦攻撃、捜索救難、兵員輸送、通信任務、要人輸送、さらには早期警戒にまで使用されるなど、その versatility（多様性）は高く評価されています。また、民間向けにはシコルスキー S-61が開発され、商業用途でも広く利用されました。

設計と性能

SH-3シーキングは、強力な双発タービンエンジンを搭載しており、これにより対潜作戦を単機で実施できるようになりました。設計段階から艦載機としての使用を想定しており、主回転翼とテイルブームが折りたためる構造になっています。主回転翼は5枚構成で、着水時の衝撃を和らげるエアバッグも搭載されています。また、限定的な水面着水能力を持つため、水陸両用での運用も可能です。

性能面では、SH-3H型が全長16.69m、全高5.13m、主回転翼直径18.9mというサイズを持ち、巡航速度は219km/h、最大速度は267km/hに達します。最大航続距離は970kmで、4人の乗員を乗せることができます。

装備

このヘリコプターは、さまざまな武器やセンサを装備可能です。対潜戦では、魚雷4本や爆雷、対艦ミサイルなどを搭載し、空母打撃群の防衛に貢献しました。また、軍医を含む捜索救難 任務用の装備も整えられており、最大28名の兵員を輸送可能です。

派生型

SH-3シーキングのバリエーションとして、以下のような機体が存在します：

• - XHSS-2: 試作機
• - YHSS-2: アメリカ海軍向け試作・評価機
• - SH-3A: 初の生産型
• - HH-3A: 捜索救難型
• - SH-3H: 改良版で新型の探知装備を搭載させたタイプ

この他にも空軍向け機体としてNH-3AやCH-3Bなどがあります。特に、SH-3H型は対潜作戦には欠かせない存在でした。

映画・メディアでの登場

SH-3は、多くの映画や作品にも登場しています。『インデペンデンス・デイ』では、VH-3Dが大統領を救出するために活躍し、また『ターミネーター3』や『ファイナル・カウントダウン』でもその姿を見かけることができます。さらに、ゲーム『グランド・セフト・オート・サンアンドレアス』では「Leviathan」として登場し、水上に着水する能力が特徴的です。

総括

SH-3シーキングは、その洗練されたデザインと多機能性から、アメリカ海軍における重要な航空機の一つとなりました。特に対潜戦において画期的な性能を発揮し、様々な任務をこなす能力は、後の航空機設計にも影響を与えています。今なお多くの国で運用されるこのヘリコプターは、その歴史的な価値と技術的な革新性から、高い評価を受け続けています。

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