SHR (オペレーティングシステム)

SHR（旧称：Stable Hybrid Release）は、OpenEmbeddedとFSOフレームワークをベースとした、コミュニティ主導で開発が進められているスマートフォン向けのLinuxディストリビューションです。このディストリビューションの大きな特徴は、多様なグラフィカルツールキットに対応している点です。開発者はGTK+やQtなどのツールキットを利用して、ユーザーインターフェースを構築できます。これにより、開発の自由度が高まり、さまざまなスタイルのアプリケーションが生まれる可能性を秘めています。

システム要件と対応デバイス

現時点でのSHRの安定版はまだリリースされておらず、テストリリース版が中心となっています。このテストリリース版は、Openmokoによって開発されたARMアーキテクチャ搭載のスマートフォンであるNeo 1973やFreeRunnerに搭載されていました。その後、SHRはHTC Dream、HTC HD2、Nokia N900、Palm Preといった他のデバイスにも移植が進められています。これにより、SHRはさまざまなハードウェア環境で利用できる可能性を示しています。これらのデバイスのサポートは、SHRが単なる実験的なプロジェクトではなく、実用的なモバイルOSとしての可能性を追求していることを示唆しています。

プリインストールソフトウェア

SHRには、以下のようなソフトウェアがデフォルトでプリインストールされています。これらのソフトウェアは、ユーザーが基本的なスマートフォン機能をすぐに利用できるように設計されています。

アドレス帳: contacts - 連絡先情報を管理するためのアプリケーションです。
電話機能: Dialer - 電話の発信・着信を行うためのアプリケーションです。
SMS機能: Messages - テキストメッセージの送受信を行うためのアプリケーションです。
ウェブブラウザ: Midori - 軽量で高速なウェブブラウザです。
インスタントメッセージ: Pidgin - さまざまなインスタントメッセージングサービスに対応したクライアントです。
端末: Almquist (ash) - コマンドラインインターフェースを提供する端末エミュレータです。
メディアプレーヤー: MPlayerフロントエンドであるintone - さまざまなメディアファイルを再生するためのアプリケーションです。
地図・GPSビューア: FoxtrotGPS - GPSデータと地図情報を表示するアプリケーションです。

FoxtrotGPS対応地図

FoxtrotGPSは、以下の地図データに対応しています。

OpenStreetMap (OSM) - オープンな地図データ。
OpenCycleMap - 自転車ルートに特化した地図データ。
Google マップ - Googleが提供する地図サービス。
Google Maps / Satellite view - Googleの衛星写真を表示する地図サービス。
maps-for-free - Google Mapsを使用している無料の地形レイヤー

関連事項

Openmoko - SHRのベースとなっているプラットフォーム。

外部リンク

SHR official website
SHR on Openmoko Wiki

もう一度検索