SK105キュラシェーア軽戦車

SK105キュラシェーア軽戦車の概要

SK105キュラシェーア（Kürassier）は、オーストリアで開発された軽戦車で、ドイツ語で「胸甲騎兵」を意味します。この戦車は、ザウレル・ウェルケ社（現在のシュタイア・ダイムラー・プフ社）が1967年に試作した後、2001年まで生産されました。

設計と特徴

この戦車は、フランスのAMX-13軽戦車の要素を取り入れた設計となっています。砲塔には改良されたJT1を使用しており、主砲の仰俯角に合わせて揺れる特性を持った構造です。砲塔の後部には回転シリンダー式の半自動装填装置が二基搭載され、最大で一分間に12発の発射が可能です。ただし、装填が終わった後は車外からの再装填が必要です。また、初期モデルには44口径の105mm低反動ライフル砲（GIAT社製）が搭載されていましたが、改修モデルでは新しいCN-105-G1に換装されています。

車体構造は、ザウレル・ウェルケ社製の4K4FA装甲兵員輸送車が基盤となっており、後部にエンジンを搭載しています。他の軽戦車と比べると、オーストリアのSK105は特徴的なデザインを持ち、前面装甲は20mm、砲塔前面装甲は40mmの厚さです。このため、前面の20mm機関砲弾に対する耐性は持っていますが、重い攻撃には脆弱です。さらに、NBC（核・生物・化学）防護システムとヒーターが標準装備されています。

生産と運用

SK105の開発は1965年に始まり、1967年には試作車が完成しました。1970年代初めから量産が開始され、主にオーストリア陸軍での運用がなされました。最終的に、この戦車は南米やアフリカの各国に輸出され、総生産数は約652両にのぼります。そのうち、286両はオーストリア陸軍向けに供給されました。オーストリア陸軍では、1998年には軽戦車型の運用を終了し、2023年には27両の装甲回収車「4KH7FA-SB」を保有しています。

派生型

SK105キュラシェーアにはいくつかの派生型が存在します。

• - グライフ装甲回収車：装甲回収車仕様
• - ピオニール戦闘工兵車：戦闘工兵車仕様
• - ファーシュールパンツァー操縦訓練車：操縦訓練車仕様

これらの派生型も、主に多様な戦術に対応するために開発されました。

採用国

この軽戦車は複数の国で採用されています。

• - アルゼンチン：不明
• - オーストリア：286両を導入し、現在も27両の装甲回収車を保有。
• - ボリビア：36両のSK105A1、18両のSK105A2、4両のグライフ装甲回収車を活用。
• - ブラジル：海兵隊のみでの運用。
• - ボツワナ、モロッコ：111両のSK105を保管中、10両のグライフ装甲回収車を保有。
• - チュニジア：不明

このように、SK105キュラシェーアは多くの国々において信頼性のある軽戦車として運用されています。

参考文献

• - The International Institute for Strategic Studies (IISS) (2024). The Military Balance 2024.

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