SMAP 007〜Gold Singer〜

SMAP 007 〜Gold Singer

『SMAP 007 〜Gold Singer』は、SMAPが1995年7月7日にリリースした7枚目のオリジナルアルバムです。前作『SMAP 006〜SEXY SIX〜』から約1年ぶりのリリースとなり、「たぶんオーライ」「KANSHAして」「しようよ」といったシングルを含む全13曲が収録されています。

アルバムはオリコンチャートで1位を獲得し、2作連続の首位となりました。タイトルは映画「007 ゴールドフィンガー」に由来しています。

ニューヨーク録音の本格化と豪華ミュージシャン

本作では、前作から一部導入されていたニューヨークでのレコーディングが本格化。ヴィニー・カリウタ（ドラムス）、オマー・ハキム（ドラムス）、ウィル・リー（ベース）、チャック・レイニー（ベース）、フィリップ・セス（キーボード）、ブレッカー・ブラザーズ（ホーン・セクション）など、ジャズ・フュージョン界のトップミュージシャンが多数参加しました。このセッションはミュージシャンたちにとっても刺激となり、後にオマー・ハキムを中心に「Smappies」という名義でオリジナルアルバムが2枚制作されるほどでした。

歌詞と歌唱

楽曲の歌詞は後ろ向きで自堕落なものが多く、これまでのアイドル像とは一線を画しています。一方で、木村拓哉は当時の歌唱について「罪を問われたら終身刑もの」と語るなど、演奏のクオリティとのギャップを自覚していたようです。

レコーディング現場では、メンバーがマイケル・ブレッカーを「あのハゲ」と呼んでスタッフに注意されるなど、海外ミュージシャンに対する知識不足が露呈するエピソードも残っています。

アートワークと評価

CDジャケットは信藤三雄が担当。「アイドルとしてギリギリのところを提案した」というように、斬新なアートワークも話題となりました。

ロッキング・オンの雑誌「H」では、稲垣吾郎が「史上初の、オルタナティヴ・アイドル」と評され、本作はそれを決定づける作品となりました。90年代に数多くの作詞を手掛けた相田毅が不参加である点も、これまでとの変化を示す要素と言えるでしょう。

収録曲について

アルバムには、シングル曲のアルバムバージョンや、メンバーによるソロ・ユニット曲、インストゥルメンタル曲などが収録されています。

KANSHAして（wah wah version）: Wah Wah Watsonをフィーチャーしたファンキーなアレンジ。
ルーズなMorning: 森且行・香取慎吾によるフュージョンナンバー。
雨がやまない: 木村拓哉・森且行による楽曲。
しようよ（Let's do it）: シングルバージョンとは異なり、間奏のギターソロがテナーサックスのソロになっています。
切なさが痛い: 中居正広・木村拓哉による楽曲。
感じやすい不機嫌: 木村拓哉・草彅剛・香取慎吾による楽曲。
たぶんオーライ: デニス・チェンバースのドラミングが光るジャズ・ファンク調のアルバムバージョン。
君がいない: コンサートのクロージングナンバーとしても人気を集めた楽曲。
人知れずバトル: 木村拓哉・森且行による楽曲。
A Day in the Life: メンバーがラップを担当するナンバー。
Alone in the Rain: 稲垣吾郎・草彅剛による楽曲。
それが僕の答え: ロック調のナンバー。
* Theme of 007 (James Bond Theme)（inst.）: 映画「007」のテーマ曲のカバー。ウィル・リーのスラップベースやヴィニー・カリウタのドラム、豪華なオーケストレーションが特徴。

『SMAP 007 〜Gold Singer』は、SMAPの音楽的な幅広さと、アイドルとしての挑戦を強く印象づける作品と言えるでしょう。

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