SMAW ロケットランチャー

SMAWロケットランチャーの概要

SMAW（Shoulder-launched Multipurpose Assault Weapon）は、アメリカ海兵隊や中華民国海軍陸戦隊で採用されている肩撃ち式のロケット擲弾発射器です。この兵器は、軽量で持ち運びが容易なため、歩兵部隊にとって優れた火力支援手段となっており、耳に残る発音「スモー」で呼ばれることもあります。

SMAWの構造

SMAWは、発射筒の後部に弾薬ケースと発射管を一体化したチューブを組み合わせた構造をしています。このチューブは使い捨て式で、さまざまな弾薬が開発されており、任務に応じて選択することができます。

本体はファイバーグラス強化樹脂で作られており、グリップや発射装置、照準器といった機能が取り込まれています。また、右側面にはスポッティングライフルが付属し、後端部には弾薬チューブと接続するためのコネクタも装備されています。SMAWは、イスラエル・ミリタリー・インダストリーズ（IMI）社のB-300をもとに、マクドネル・ダグラス社によって開発されました。

ロケットランチャーの歴史

第二次世界大戦以降、ロケット擲弾発射器は歩兵の主要な武器として機能してきました。特に、成形炸薬弾の貫通力を生かし、対戦車や戦闘施設に効果を発揮することが期待されています。さらに、炸薬入りの弾頭は数十メートルから数百メートルの距離を正確に直接照準で投射できるため、現場では兵器の多様な使用が進んでいます。

当初は対戦車用途に限られていたロケット発射器ですが、時代と共に榴弾や煙幕弾などの多様な弾種が開発され、歩兵砲に近い役割を果たすようになりました。

現代のロケットランチャー

現代では、ロケットランチャーも高性能化しており、一部は誘導機能を持つ対戦車ミサイルへと進化しています。しかし、これらの大型ロケットランチャーはコストが高く、他の目標に使用する際には不経済となる場合が多いです。一方で、M72 LAWなどの軽ロケットランチャーは対戦車用途には力不足ですが、非常に軽量で安価なので、歩兵が気軽に取り扱える強みを持っています。

それゆえ、SMAWはこのM72の系譜に連なる多目的なロケットランチャーとして位置付けられています。

SMAWの必要性

アメリカ海兵隊は上陸作戦や外征部隊としての任務が多く、歩兵に十分な火力支援を提供することが求められる状況が多々あります。そのため、歩兵部隊が携行可能なロケットランチャーの導入が必要とされました。SMAWはこのニーズに基づいて開発され、さまざまな戦闘環境での柔軟な対応が期待されています。

弾種の種類

SMAWで使用できる弾種には以下の種類があります：

• - HEDP（High Explosive Dual Purpose）: 両用弾で、対人・対物に対応。
• - HEAA（High Explosive Anti-Armor）: 主に対戦車用の弾。
• - SMAW-NE（Novel Explosive）: サーモバリック爆薬を採用した弾頭。

これらの弾薬は、異なる戦闘シナリオに対応するために設計されており、SMAWの多目的性を高めています。

まとめ

SMAWロケットランチャーは、歩兵にとって重要な火力支援手段であり、任務の多様化とともにその有用性は増しています。その軽便さと多様な弾種は、現代の戦闘において不可欠な要素といえるでしょう。

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