SPEED TK RE-MIX

SPEED TK RE-MIX

「SPEED TK RE-MIX」は、音楽家小室哲哉が「TETSUYA "TK" KOMURO」という名義で1997年7月9日にリリースした8thシングルです。この曲は、マーク・マンシーナが作曲した映画「スピード2」のメインテーマを基にしたリミックスで、小室の全米デビュー作ともなります。特に多くのスポーツ選手の入場テーマとして使用されるほど人気があります。

リリース前の1997年1月、小室とヴァージン・レコードの間で興味深い経緯がありました。女性スカウトマンが小室にコンタクトを取り、「面白そう」と感じたことから始まった連絡のやりとり。小室はデモテープをプレゼンし、正式なオファーを受け取った際には「とにかく好きにやってほしい」という軽い注文でした。小室はこの依頼を受け、「U2のアダム・クレイトンが映画『ミッション:インポッシブル』制作時に異なるスタイルのアレンジを手がけたような感じで、違うタイプの人と混ぜて面白さを出すつもりなのかもしれない」と考えました。

小室は自身の得意とするダンスミュージックの要素を基にし、最新の音色で楽曲を作り上げたことで、制作過程は非常にスムーズに進みました。また、ミュージックビデオはマーカス・ニスペルが監督し、1997年初めに上海のディスコで初めて公開されました。

興味深いことに、同年にマイケル・ジャクソンがこの曲に魅了され、小室との出会いが実現しました。ジャクソンは小室に「Invincible」に収録する楽曲の制作を依頼しましたが、最終的には楽曲が採用されることはありませんでした。しかし、この出会いを機に、1998年には小室のライブにマイケルが出演したり、逆にマイケルのライブに小室が参加するなど、2人の交流が深まりました。小室の弁護士のジョン・ブランカもこの共演プランの実現を支援しましたが、スケジュールの都合で実現には至りませんでした。

「SPEED TK RE-MIX」はいくつかの形式でリリースされており、スピード2のオリジナルサウンドトラック（日本版）や、さまざまなシングル盤、マキシシングルが存在します。そして、アレンジ・リミックスバージョンも豊富で、リスナーは異なるトーンの楽曲を楽しむことができます。参加ミュージシャンには、バックボーカルにLynn Mabry、ボイスにマーク・パンサーが名を連ね、プログラミングには久保こーじや岩佐俊秀が関与しています。また、DJ DRAGONによるリミックスも含まれています。

この楽曲は、小室哲哉の音楽キャリアにおける重要な一歩となり、世界の音楽シーンにおいても影響を持ち続ける作品です。

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