SPWF

SPWF（スーパープロレスリング連盟）の歴史

SPWF（エス・ピー・ダブリュー・エフ）は、日本のプロレス団体で、かつて存在した社会人プロレスリング連盟を前身に持ちます。正式名称は「Social Professional Wrestling Federation」であり、後に「Super Professional Wrestling Federation」として改名されました。

設立の背景

SPWFは1992年6月に設立されました。設立者は、元「道場・檄」の道場主・谷津嘉章です。彼はSWS（全日本プロレスの支流団体）の崩壊後、プロレスの新しい形を模索しました。1993年8月21日、群馬県桐生市で旗揚げ戦を行い、プロレスの普及を目指しました。

この団体のユニークな点は、プロレスラーだけでなく、学生や社会人のアマチュアレスラーにも出場の機会を与えたことです。試合は、プロレスラーによる第1部、学生や社会人のアマチュアレスラーによる第2部、そして完全素人による第3部に分けて組まれました。これにより、多くの若手選手がプロレスの世界に足を踏み入れることになりました。

社会人プロレスの挑戦

当初のSPWFは、プロとアマチュアを同じリング上で競わせるという大胆な試みを行いましたが、批判の声も多く上がりました。特に、アマチュアレスラーがプロレスラー並みの危険な技を使用することによる危険性が懸念されたのです。マスコミもこの部分については無関心を貫き、観客数は伸び悩む状況が続きました。

谷津は群馬県で中古車販売業を営んでいて、興行の収益は彼の生活を支える一助として機能していましたが、次第に経営は厳しくなり、彼は新日本プロレスや平成維震軍の興行に参加するようになりました。この頃、SPWFは他のインディペンデント団体とも交流を行うようになり、プロレス界での位置づけを試行錯誤していました。

分裂と新たな道

1994年には、事務局長の高田龍が離脱し、彼を慕っていた選手たちも次々に退団します。彼らは新たに「レッスル夢ファクトリー」を立ち上げることになります。SPWFの内部での権力闘争が続く中、谷津は団体を再構築する必要に迫られていきました。

スーパープロレスリング連盟へ

その後、谷津は東京に事務所を移転し、団体名も「Super Professional Wrestling Federation」に変更します。この時、アマチュア部門は廃止され、純粋なプロレス団体としての道を歩むこととなりました。この期間中、谷津は新たな対立を経験し、様々なユニットが形成されて対抗戦が繰り広げられました。

1997年には女子部門も設立され、初の女子高校生レスラーがデビューを果たすなど注目を集めました。しかし、この部門も2001年には完全に消滅してしまいます。

最後の活動と解散

2002年には谷津が他団体へ移籍し、残された選手たちは月に一度の道場マッチを続けました。この時期には団体内部での対立も見られ、最終的には2006年、活動は事実上停止します。2010年に谷津の引退興行が行われたことで、SPWFは完全に解散し、その歴史に幕を下ろしました。

最後に、2017年には谷津が復帰し、最後のイベントに参加しましたが、SPWFはもう新たな展開を迎えることはありませんでした。 SPWFは、社交的なプロレスのあり方を模索した先駆的な団体として、今も多くのプロレスファンの記憶に残る存在です。

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