SS30

SS30（エスエスサーティー）

宮城県仙台市青葉区に位置する「SS30」は、かつて「住友生命仙台中央ビル」として知られていたオフィスビルです。1989年に竣工し、当時は東北地方で最も高い超高層ビルとしてその名を馳せました。その後、所有者の変更を経て、現在はユナイテッド・アーバン投資法人が管理しています。

概要

SS30は、仙台市の都心部に位置し、地上31階、地下3階建てで、アンテナ部を含めた高さは172m、建築物自体の高さは143mに達します。建設当時は、仙台第一生命タワービルを凌ぎ、東北地方で最も高いビルとして君臨しました。しかし、2010年に隣接する仙台トラストタワーが竣工したことで、その座を譲ることとなりました。

このビルは、柳町通、北目町通、東二番丁通、東三番丁通に囲まれた宮城学院の跡地に建てられました。住友生命保険相互会社がこの地を再開発し、オフィス棟であるSS30の他に、仙台国際ホテル、セントラルフィットネスクラブ仙台などの施設を建設しました。当初は「住友生命仙台中央ビル」と命名されましたが、2017年にユナイテッド・アーバン投資法人が取得した際に、複合施設全体の総称として「SS30」と呼ばれるようになりました。現在では、オフィス棟自体を指す際にも「SS30」の名称が用いられています。

施設構成

SS30の2階から27階はオフィスフロアとして利用されています。28階から30階には結婚式場やレストランがあり、特に30階南側には無料の展望台が設けられており、仙台の景色を一望できます。展望台は21時まで一般に開放されており、市民や観光客にとって人気のスポットとなっています。また、エレベーターはオフィス階用と、レストラン・展望台用で分かれており、後者は外の景色を眺めながら昇降できる点が特徴です。

名称の由来

「SS30」という名称は、「Sky Symphony」の頭文字である「SS」と、ビルの階数である「30」を組み合わせたものです。実際には31階建てですが、使用されているフロアが30階までであるため、「30」が用いられています。

沿革

SS30が建設された場所は、もともと宮城女学校（現在の宮城学院）の「東二番丁校地」でした。宮城女学校は、1886年からこの地で教育活動を始め、長年にわたり校舎を増築してきました。しかし、1980年に宮城学院は仙台市北部の桜ヶ丘に移転し、跡地はエンドーチェーン仙台駅前店の駐車場として利用されました。

1983年には、この駐車場で西部警察 PART-IIIのロケが行われ、多くの人々が集まりました。その後、住友生命が1982年にこの土地を取得し、1989年にSS30が竣工しました。バブル景気期ということもあり、建設は順調に進みました。また、仙台国際ホテルはSS30の竣工から数ヶ月後の1989年10月に開業しました。

かつてSS30の2階には、七十七銀行の有人出張所「本店営業部住生中央ビル出張所」がありましたが、2004年に本店営業部に統合されました。また、隣接していた「仙台SS30内郵便局」も2013年に廃局となりました。

その他

SS30には、AERと同様にビル専用の郵便番号が割り当てられており、階数によって異なります。また、以前はアンテナ部に第二電電（現：KDDI）のパラボラアンテナが設置されていましたが、2006年までに撤去されました。さらに、2011年の東日本大震災でアンテナ構造物の上半分が落下しましたが、その後復元はされていません。

また、SS30内には、アトム仙台事業所（旧アムゼ本社を母体とする）が設置されており、東北エリアの拠点となっています。

アクセス

JR各線仙台駅から徒歩約8分、仙台市地下鉄南北線・東西線仙台駅から徒歩約8分と、交通アクセスにも恵まれています。有料駐車場も完備しており、平面234台、機械式90台を収容可能です。車寄せ（ポーチ）は北目町通沿いにあります。

周辺環境

2010年には、SS30の向かい側に仙台トラストシティが完成し、仙台トラストタワーが東北一の高さを誇るようになりました。周辺には、河北新報社、仙台中央郵便局、仙台中央警察署、EBeanS、仙台朝市などの施設があり、都心回帰の流れの中で超高層マンションも多く建設されています。

SS30は、仙台の歴史と都市開発の変遷を見守ってきたランドマークとして、現在もその存在感を示し続けています。

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