STS-120

STS-120は、2007年10月から11月にかけて16日間に渡り、スペースシャトルディスカバリーによって実施された国際宇宙ステーション（ISS）組立ミッション（10A）です。このミッションでは、主に以下の重要なタスクが実行されました。

ハーモニー（ノード2）の打上げ・設置: ISSに新たな居住・接続空間となるハーモニーを運び込み、設置しました。これにより、ISSの機能拡張と将来的な利用に向けた基盤が強化されました。
P6トラスの移設: 天頂側Z1トラスに設置されていた太陽電池パドルを含むP6トラスを、左舷側P5トラスの先へと移設しました。これにより、ISS全体の電力供給能力を向上させることが目的でした。

ミッション中には、予期せぬトラブルも発生しました。P6トラスの太陽電池パドル展開中に一部が裂けるという事態に見舞われましたが、宇宙飛行士たちは船外活動を行い、困難な修理作業を見事に成功させました。この迅速かつ的確な対応は、宇宙飛行士の高度な技術とチームワークの重要性を示すものでした。

また、STS-120ミッションは、エンターテインメントの要素も含むものでした。映画「スター・ウォーズ」公開30周年を記念するイベントとして、エピソード6でルーク・スカイウォーカーが使用したライトセーバーのプロップが宇宙へ運ばれました。これは、宇宙開発とポップカルチャーの融合を示す象徴的な出来事として、多くの人々の関心を集めました。

乗組員

パメラ・メルロイ (3) - 船長
ジョージ・ザムカ (1) - パイロット
スコット・パラジンスキー (5) - ミッションスペシャリスト
ステファニー・ウィルソン (2) - ミッションスペシャリスト
ダグラス・ウィーロック (1) - ミッションスペシャリスト
パオロ・ネスポリ (1) - ミッションスペシャリスト（ イタリア,欧州宇宙機関）
ダニエル・M・タニ (2) - フライトエンジニア（出発するExpedition 16乗組員）
クレイトン・アンダーソン (1) - フライトエンジニア（帰還するExpedition 15/16乗組員）

※かっこ内の数字は、今回を含めたフライト経験数を示します。

STS-120ミッションは、ISSの機能拡張、トラブルへの対応、そして宇宙開発の魅力を伝えるという多岐にわたる側面を持ち、宇宙開発史における重要な一章として記憶されています。

外部リンク

JAXAの10Aミッションのページ
10Aミッション結果の要約

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