STS-127

STS-127：きぼう完成と記録更新のミッション

[STS-1]]27は、2009年7月にスペースシャトルエンデバーによって実施された国際宇宙ステーション]の組み立てミッション(2J/A)です。これは[[スペースシャトルにとって127回目の飛行、エンデバーにとっては23回目の飛行となりました。

ミッションの概要

エンデバーは、米国東部夏時間7月15日18時3分（日本時間7月16日7時3分）にケネディ宇宙センターから打ち上げられ、7月17日13時47分（日本時間7月18日2時47分）にISSとのドッキングに成功しました。エンデバーの乗組員7名がISSに合流したことで、若田光一宇宙飛行士を含む長期滞在員と合わせて、ISSには過去最多となる13名が滞在することになりました。

このミッションの主な目的は、STS-123およびSTS-124で設置された「きぼう」日本実験棟に、船外実験プラットフォーム(EF)と船外パレットを取り付け、「きぼう」を完成させることでした。また、米国側のペイロードとして、曝露機器輸送用キャリア（Integrated Cargo Carrier-Vertical Light Deployable: ICC-VLD）もISSへ運搬されました。その他、P6トラスのバッテリー交換や、予備の曝露機器のISSへの保管なども行われました。約14日間の飛行期間中、合計5回の船外活動が実施されました。

エンデバーは7月28日13時26分（日本時間7月29日2時26分）にISSとのドッキングを解除し、耐熱システムや飛行制御システムなどの最終点検で問題がないことを確認。7月31日10時48分（日本時間23時48分）に、フロリダ州のケネディ宇宙センター15番滑走路に着陸し、無事に帰還しました。

STS-119でISSへ向かい、JAXAの宇宙飛行士として初めて約3ヶ月間のISS長期滞在ミッションを終える予定だった若田光一宇宙飛行士は、当初6月中にこの便で帰還する予定でしたが、打ち上げの延期により帰還も遅れることになりました。最終的に、若田光一宇宙飛行士の宇宙滞在日数は137日15時間05分となり、日本人の宇宙滞在最長記録を更新しました。

打ち上げ延期の経緯

当初、2009年5月に打ち上げが予定されていましたが、外部燃料タンクから蒸発した水素ガスを排出する部分から水素ガス漏れが発生したため、2009年6月17日に延期されました。その後、修理した同じ箇所から再び水素ガスが漏れ出したため、2009年7月に再延期となりました。さらに、天候不良や発射台への落雷などによる数度の延期を経て、最終的に7月15日18時3分（日本時間7月16日7時3分）にケネディ宇宙センターから打ち上げられました。

5回にわたる打ち上げ延期に伴い、外部燃料タンク(ET)に極低温の液体水素の注入を繰り返したため、断熱フォームが脆くなるという問題も発生しました（この件に関して、NASAから公式な発表はありませんでしたが、報道によると、ET製造工場がハリケーン「カトリーナ」の被害を受けた際に停電が発生し、空調管理ができなかったことが影響したと報告されています）。打ち上げの際、燃料タンクからの断熱材の剥離が確認されましたが、オービターへの影響はないと判断されました。

きぼう日本実験棟の完成

「きぼう」日本実験棟は、2007年度から3回のスペースシャトルミッション（(1J/A)、(1J)、(2J/A)）に分けて打ち上げ、組み立てられました。STS-127は、その最終便にあたる(2J/A)ミッションでした。

若田光一宇宙飛行士は、国際宇宙ステーション内でロボットアーム（SSRMS）を操作し、7月19日19時29分（日本時間7月20日8時29分）に「きぼう」船外実験プラットフォームを「きぼう」船内実験室の側面に取り付けました。筑波宇宙センターの管制室からの信号により、船外実験プラットフォームの電力系、通信制御系、熱制御系などのサブシステムが起動され、「きぼう」が完成しました。7月21日午前9時35分（日本時間7月21日午後11時35分）には、日本実験棟船外パレットの船外実験プラットフォームへの取り付けが行われ、搭載された船外装置は「きぼう」ロボットアームによって船外実験プラットフォームに移設されました（その後、船外パレットはシャトルに回収）。

乗組員

マーク・ポランスキー (3)— 船長
ダグラス・ハーリー (1)— パイロット
デヴィッド・ウルフ (4)— ミッションスペシャリスト
ジュリー・ペイエット (2)— ミッションスペシャリスト
トーマス・マーシュバーン (1)— ミッションスペシャリスト
クリストファー・キャシディ (1)— ミッションスペシャリスト
ティモシー・コプラ (1)— ミッションスペシャリスト（出発する"第19次長期滞在員"）
若田光一 (3)— ミッションスペシャリスト（帰還する"第18-19次長期滞在員"、日本、JAXA）

※ かっこ内の数字は、今回を含めたフライト経験数を示します。

STS-127は、度重なる延期や機材トラブルに見舞われながらも、「きぼう」の完成、若田光一宇宙飛行士の長期滞在記録更新など、数々の成果を上げたミッションとして、宇宙開発史にその名を刻んでいます。

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