STS-3

STS-3: コロンビア号、3度目の挑戦

STS-3は、スペースシャトルの3回目のミッションであり、コロンビア号にとっては3度目の宇宙飛行でした。このミッションでは、いくつかの「初」がありました。その一つが、スペースシャトル外部燃料タンクを塗装なしで打ち上げたことです。また、ニューメキシコ州のホワイトサンズに着陸した唯一のミッションでもあります。

ミッション概要

宇宙船: コロンビア
乗組員:
船長: ジャック・ルーズマ (2)
操縦手: ゴードン・フラートン (1)
バックアップ要員:
船長: ケン・マッティングリー
操縦手: ヘンリー・ハーツフィールド
打ち上げ日時: 1982年3月22日 11時00分(EST)
着陸日時: 1982年3月30日 9時05分(MST)
着陸場所: ホワイトサンズ・ミサイル実験場
飛行時間: 8日と4分45秒
地球周回数: 130周
総移動距離: 531万km

ミッションの目的

STS-3の主な目的は以下の通りでした。

カナダアームの試験の継続
コロンビア号の尾部と頂部を様々な時間で太陽に向けて耐熱性の試験
地球周囲の環境を計測するためのスペースラブ搭載機器の運用(DFIパッケージとOSSI)
Getaway Specialの運用
ミッドデッキロッカーでの複数実験の実施
Continuous Flow Electrophoresis System experiment
Mono-disperse Latex Reactor experiment
* 昆虫の動きを研究するShuttle Student Involvement Project (SSIP)

ミッションの詳細

打ち上げは予定よりも1時間遅れましたが、コロンビア号は順調に軌道に乗り、ミッションを開始しました。乗組員のジャック・ルーズマとゴードン・フラートンの2人は、宇宙病に悩まされながらも、実験や試験を遂行しました。また、Auxiliary Power Unitのオーバーヒートや通信途絶といったトラブルも発生しました。

着陸は、当初予定されていたエドワーズ空軍基地が豪雨で冠水したため、代替地のホワイトサンズに変更されました。しかし、ホワイトサンズも強風に見舞われ、着陸は1日延期されました。着陸支援装置は、当初予定されていた空軍の輸送機ではなく、鉄道で運搬されたため、200万ドルの輸送費が節約されました。

最終的に、コロンビア号はホワイトサンズ・ミサイル実験場に着陸しました。これは、スペースシャトルミッションとしては唯一のホワイトサンズへの着陸となりました。着陸は部分的に自動操縦で行われましたが、最後は手動で操縦されました。

ミッション中、36枚の耐熱タイルが失われ、19枚が損傷を受けました。コロンビア号は1982年4月6日にケネディ宇宙センターに帰還しました。

特記事項

STS-3は、NASAがバックアップ要員を指名した最後のミッションとなりました。

ミッションの徽章

ミッションの徽章には、星から姿を現すスペースシャトルが描かれており、宇宙探査の明るい未来を象徴しています。オービタはカナダアームでPDPを掴んでおり、ペイロードベイでは多くの実験が行われています。黒い背景はミッションが始まった時間を、橙色の大きな三角形はミッションに関わる多くの人々を表しています。乗組員2人の名前が、コロンビア号の名前とともに周りに記されています。

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