STS-41-G

STS-41-Gミッション：記録と科学に彩られた宇宙への旅

STS-41-Gは、NASAのスペースシャトル計画における13回目のミッションであり、チャレンジャーにとっては6回目の飛行でした。1984年10月5日にケネディ宇宙センターから打ち上げられ、同月13日に再び同センターへ着陸。このミッションは、数々の歴史的な出来事と科学的な成果によって特筆されます。

多様な乗組員構成

STS-41-Gは、7人の乗組員を乗せた最初のミッションであり、宇宙飛行士の構成も多様性に富んでいました。ロバート・クリッペン機長（4度目の宇宙飛行）、ジョン・マクブライドパイロット（初飛行）に加え、キャサリン・D・サリバン、サリー・ライド、デビッド・リーストマの3名のミッションスペシャリスト、そしてポール・スカリー=パワーとマーク・ガルノーの2名のペイロードスペシャリストが搭乗しました。特に、サリー・ライドとキャサリン・D・サリバンは、2人の女性宇宙飛行士として初の同時搭乗を果たし、マーク・ガルノーはカナダ人初の宇宙飛行士として宇宙へ飛び立ちました。

歴史的な宇宙遊泳

このミッションのハイライトの一つは、キャサリン・D・サリバンによる宇宙遊泳です。1984年10月11日、サリバンは3時間29分に及ぶ船外活動を行い、アメリカ人女性として初めて宇宙遊泳を成功させました。この宇宙遊泳の映像は、IMAX映画「The Dream Is Alive」にも使用され、多くの人々に感動を与えました。

科学ミッションの遂行

STS-41-Gでは、科学観測も重要な目的でした。大気放射収支衛星（ERBS）がペイロードベイから展開され、地球が太陽から受け取るエネルギー量と宇宙への再放射量を測定しました。また、Shuttle Imaging Radar-B (SIR-B)を用いた地球観測も行われました。SIR-Bは、地球の表面を様々な角度から撮影し、地質調査や環境モニタリングに役立つデータを提供しました。

ペイロードスペシャリストのスカリー=パワーは海洋学的な観測を実施し、ガルノーはカナダ政府が委託した医学、大気学、気象学、材料科学、ロボット工学に関連する実験（CANEX）を行いました。

ミッションの軌跡

打ち上げから8日と5時間23分33秒後、チャレンジャーは地球を132周し、5,293,847kmを飛行しました。そして1984年10月13日、ケネディ宇宙センターのシャトル着陸施設に無事帰還しました。

徽章に込められた意味

STS-41-Gのミッション徽章は、アメリカの国旗をモチーフにしており、青地に描かれた13個の星は13回目のスペースシャトル計画を、黒地に描かれた17個の星は当初の計画名（STS-17）を示しています。また、乗組員それぞれの名前の横には性別を示すマークが、ガルノーの名前の横にはカナダの国旗が描かれています。

その後

STS-41-Gのミッションは、宇宙開発における国際協力と女性の活躍を象徴する出来事として、その名を歴史に刻んでいます。また、ミッションで得られたデータは、地球環境の研究や宇宙技術の開発に大きく貢献しました。

参考資料

コリン・バージェスの著書「Oceans to Orbit: The Story of Australia's First Man in Space, Paul Scully-Power」
NASAのミッション概要（外部リンク参照）

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