STS-45

STS-45は、1992年にアトランティス宇宙船によって実施された重要な宇宙ミッションです。このミッションの主要な目的は、非放出型の曝露ペイロードであるATLAS-1（応用・科学大気圏実験-1）を用いた広範囲な科学研究を行うことでした。約9日間にわたる飛行で、大気化学、太陽放射、宇宙プラズマ物理学、紫外線天文学など、多岐にわたる分野のデータ収集と実験が行われました。

乗組員

STS-45ミッションには、7名の宇宙飛行士が搭乗しました。

船長: チャールズ・ボールデン
操縦手: ブライアン・ダフィー
ミッションスペシャリスト1: キャサリン・D・サリバン
ミッションスペシャリスト2: デビッド・リーストマ
ミッションスペシャリスト3: マイケル・フォール
ペイロードスペシャリスト1: ディルク・フリムー（ESA）
ペイロードスペシャリスト2: バイロン・リヒテンバーグ

バックアップ要員として、ペイロードスペシャリスト1にマイケル・ランプトン、ペイロードスペシャリスト2にチャールズ・チャペルが選ばれました。

打ち上げとペイロード

当初、打ち上げは3月23日に予定されていましたが、オービタ船尾部分での液体水素と液体酸素の濃度が許容範囲を超えたため、1日延期されました。最終的に、3月24日午前8時13分(EST)に打ち上げられました。打ち上げ時の重量は105,982 kgでした。

オービタのカーゴベイには、スペースラブパレット2台に搭載されたATLAS-1ペイロードが搭載されました。ATLAS-1は、アメリカ合衆国、フランス、ドイツ、ベルギー、スイス、オランダ、日本からの12個の機器で構成され、大気化学、太陽放射、宇宙プラズマ物理学、紫外線天文学の研究に使用されました。ATLAS-1の主要な機器には以下が含まれます。

ATMOS (Atmospheric Trace Molecule Spectroscopy)
Grille Spectrometer
MAS (Millimeter Wave Atmospheric Sounder)
ISO (Imaging Spectrometric Observatory)
ALAE (Atmospheric Lyman-Alpha Emissions)
AEPI (Atmospheric Emissions Photometric Imager)
SEPAC (Space Experiments with Particle Accelerators): 日本の人工オーロラ実験（STS-9に次いで2回目の実施）
ACR (Active Cavity Radiometer)
SOLCON (Measurement of Solar Constant)
SOLSPEC (Solar Spectrum)
SUSIM (Solar Ultraviolet Spectral Irradiance Monitor)
* FAUST (Far Ultraviolet Space Telescope)

ミッションの成果

ATLAS-1ミッションは、大気、太陽、宇宙環境に関する貴重なデータを提供しました。これらのデータは、地球の気候変動、オゾン層の動態、太陽活動の地球への影響などを理解する上で重要な役割を果たしています。また、国際協力によって行われたこのミッションは、宇宙開発における国際協力の重要性を示す良い例となりました。

着陸

STS-45ミッションは、科学実験を継続するために1日延長され、1992年4月2日午前6時23分(EST)にケネディ宇宙センター第33滑走路に着陸しました。着陸時の質量は93,005 kg、ロールアウト距離は2,112 mでした。

STS-45ミッションは、多くの科学的成果をもたらし、国際協力の重要性を示した宇宙開発史における重要な一歩です。

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