STS-49

STS-49は、スペースシャトル・エンデバーの最初のミッションとして、数々の記録を打ち立てた歴史的な飛行でした。

インテルサット603の救出

このミッションの最大の目的は、1990年3月に打ち上げられた後、軌道投入に失敗し、利用不能な状態にあったインテルサットVI F-3衛星の回収と軌道修正でした。乗組員は、この衛星を捕獲し、新しいキックモーターを取り付けるという前例のない挑戦に挑みました。

当初、シャトル・リモート・マニピュレータ・システムを使って衛星に捕獲バーを取り付ける予定でしたが、位置の問題から失敗。しかし、船長のブランデンスタインがオービタを手動で慎重に操縦し、3人の宇宙飛行士（ツート、ヒーブ、エイカーズ）が手で衛星を捕獲することに成功しました。この困難な作業には3回の船外活動が必要とされ、宇宙史に残る偉業となりました。

衛星に新しいモーターが取り付けられた後、軌道に再投入され、新しいモーターが点火。衛星は正常に対地同期軌道へと運ばれ、再び運用可能な状態となりました。

世界初の3人同時船外活動

インテルサット603の捕獲作業は、宇宙史上初の3人による同時船外活動となりました。この偉業は、宇宙での作業における新たな可能性を示し、今後の宇宙開発に大きな影響を与えました。この記録は2013年まで唯一の事例でした。

その他の実験と記録

計画された船外活動は、フリーダム宇宙ステーションの維持と組み立ての可能性を実証するためのASEM実験の一環としても行われました。インテルサットの回収に時間がかかったため、ASEM実験は1日に短縮されました。

その他の実験には、Commercial Protein Crystal Growth (CPCG)、Ultraviolet Plume Imager (UVPI)、Air Force Maui Optical Station (AMOS)の調査などがありました。

ミッションは当初の予定より2日間延長され、以下の記録が達成されました。

エンデバーの初の飛行
初の3人による船外活動
2番目（8時間29分）と4番目（7時間45分）に長い船外活動
4度の船外活動が行われた初のスペースシャトルのミッション
2番目に長い1回のスペースシャトルのミッションでの合計船外活動時間（25時間27分）
軌道上の宇宙機と3回のランデブーが必要であった初のスペースシャトルのミッション
* 着陸の際に制動傘が使われた初のスペースシャトルのミッション

STS-49は、エンデバーの輝かしいデビューを飾るとともに、宇宙開発における新たな可能性を切り開いた、記憶に残るミッションとなりました。

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