STS-54

STS-54：エンデバーによるスペースシャトルミッション

STS-54は、スペースシャトル・エンデバーにとって3度目の飛行となったミッションで、1993年1月17日にフロリダ州のケネディ宇宙センターから打ち上げられました。このミッションでは、通信衛星の展開、科学実験、宇宙遊泳など、様々な活動が行われました。

ミッション概要

スペースシャトル: エンデバー
ミッション番号: STS-54
打ち上げ日: 1993年1月17日
打ち上げ場所: ケネディ宇宙センター

乗組員

STS-54には、以下の5名の宇宙飛行士が搭乗しました。

ジョン・キャスパー (船長)
ドナルド・マクモナグル (操縦手)
マリオ・ルンコ (ミッションスペシャリスト)
グレゴリー・ハーボー (ミッションスペシャリスト)
スーザン・J・ヘルムズ (ミッションスペシャリスト)

ミッションの目的

STS-54の主な目的は以下の通りです。

1. TDRS衛星の展開: 5機目の追跡データ中継衛星 (TDRS) を軌道に投入すること。TDRSは、スペースシャトルや他の人工衛星との通信を中継する役割を担います。
2. 散乱X線分光計 (DXS) の軌道投入: 深宇宙のX線源を観測するためのDXSを搭載し、宇宙空間に展開しました。これにより、遠くの天体からのX線放射に関するデータを収集しました。
3. 微重力実験: 微小重力環境下での様々な現象を研究するための実験装置を搭載しました。これには、以下のものが含まれます。
Commercial General Bioprocessing Apparatus (CGPA): 生命科学実験用装置
Chromosome and Plant Cell Division in Space Experiment (CHROMEX): 宇宙空間における植物の成長と細胞分裂の研究
Physiological and Anatomical Rodent Experiment (PARE): 宇宙環境が骨格に与える影響の研究
Space Acceleration Measurement Equipment (SANS): ミッドデッキの加速度を測定し記録
Solid Surface Combustion Experiment (SSCE): 固体表面での燃焼実験
4. 宇宙遊泳: ミッション5日目には、マリオ・ルンコとグレゴリー・ハーボーが宇宙遊泳を行い、宇宙空間での作業性を評価する実験を実施しました。これには、手を使わずにカーゴベイ内を移動したり、大きな物体を運搬したりするテストが含まれていました。

ミッションのハイライト

TDRS衛星の展開は、ミッションの主要な目標の一つであり、無事に成功しました。これにより、NASAの通信ネットワークが強化されました。
DXSによるX線観測は、宇宙の構造や進化に関する新たな知見をもたらしました。
微重力実験は、宇宙環境が生物や物質に与える影響を理解する上で重要なデータを提供しました。
宇宙遊泳は、将来の宇宙ステーション建設や宇宙探査活動に必要な技術を開発する上で貴重な経験となりました。

外部リンク

NASA mission summary - ウェイバックマシン（2000年10月28日アーカイブ分）
STS-54 Video Highlights - ウェイバックマシン（2007年10月13日アーカイブ分）
* Diffuse X-ray Spectrometer (DXS)

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