STS-61-H

STS-61-Hは、1986年に打ち上げが計画されていたスペースシャトル・ミッションです。当初はコロンビアが使用される予定でしたが、チャレンジャー号爆発事故という悲劇的な出来事を受け、ミッションはキャンセルとなりました。

搭乗予定クルー

コマンダー：マイケル・コート（Michael L. Coats）
パイロット：ジョン・ブラハ（John Blaha）
ミッションスペシャリスト1：アンナ・リー・フィッシャー
ミッションスペシャリスト2：ジェームズ・ブチェリ（James F. Buchli）
ミッションスペシャリスト3：ロバート・シュプリンガー（Robert C. Springer）
ペイロードスペシャリスト1：ナイジェル・ウッド（Nigel Wood、イギリス）
ペイロードスペシャリスト2：プラティウィ・スダルモノ（Pratiwi Sudarmono、インドネシア）

また、バックアップクルーとして、ペイロードスペシャリスト1にリチャード・ファリモンド（Richard Farrimond、イギリス）、ペイロードスペシャリスト2にタウフィック・アクバル（Taufik Akbar、インドネシア）が選ばれていました。

ミッションの目的

STS-61-Hの主な目的は、3機の商業衛星を軌道に投入することでした。具体的には、イギリスのスカイネット4A、インドネシアのパラパB3、そしてウェスター6Sです。特に、スカイネットとパラパについては、それぞれの国の宇宙飛行士が軌道投入を担当する予定でした。

事故の影響とその後

チャレンジャー号の事故後、スペースシャトルによる商業衛星の軌道投入は一時中断されました。さらに、アメリカ以外の宇宙飛行士が搭乗員候補として選ばれる機会も数年間失われました。この結果、イギリスとインドネシアの宇宙飛行士は、宇宙へ行くという貴重な機会を逃すことになってしまいました。

アメリカの宇宙飛行士たちは、その後STS-29ミッションに参加することになりました。ただし、アンナ・フィッシャーのみ、ジェームス・バギアンと交代しています。

当初STS-61-Hで打ち上げられる予定だった衛星は、その後別のロケットによって打ち上げられました。スカイネット4Aは1990年1月1日にタイタンIIIロケットで、ウェスター6Sはギャラクシー6に改名された後、1992年10月12日にアリアン4ロケットで、そしてパラパB3はパラパB2Pに改名され、1987年3月20日にデルタ3920ロケットでそれぞれ打ち上げに成功しています。

関連項目

キャンセルされたスペースシャトルミッション
STS-61-M

参考文献

http://www.mach25.nl/~jacques/shuttle/STS61H.html

もう一度検索