アンナ・リー・フィッシャー

アンナ・リー・フィッシャー：科学者、医師、そして宇宙飛行士

アンナ・リー・フィッシャー（Anna Lee Tingle Fisher、1949年8月24日生まれ）は、科学、医学、宇宙探査の分野で顕著な業績を残したアメリカの宇宙飛行士です。ニューヨークで生まれ、カリフォルニアで育ち、多様なキャリアを歩んできました。

生い立ちと教育

フィッシャーは1967年にカリフォルニア州サンペドロ高校を卒業後、カリフォルニア大学ロサンゼルス校（UCLA）に進学し、1971年に化学の学士号を取得しました。その後、大学院に進み、金属カルボニルのX線回折を研究。さらに医学の道へ進み、1976年にUCLAの医学部で医学博士号を取得しました。1977年には、カリフォルニア州トーランスのハーバー・ジェネラル病院でインターンシップを修了。救急医療を専門とし、ロサンゼルス地区の複数の病院で勤務しました。1987年には、化学の修士号も取得しています。

NASAでのキャリア

1978年1月、フィッシャーはNASAの宇宙飛行士候補に選ばれました。1979年8月に訓練と評価を終え、スペースシャトルのミッションスペシャリストとしての資格を得ました。

スペースシャトル計画

STS-5からSTS-7にかけて、ケネディ宇宙センターで走行車とペイロードの試験に携わりました。STS-1から4の軌道飛行試験では、医師として救助ヘリコプターに同乗し、打ち上げと着陸をサポート。STS-9では、通信管制官を務めました。

チャレンジャー事故とその後の活動

チャレンジャー号の爆発事故以前、フィッシャーはSTS-61-Hのミッションスペシャリストに指名されていました。事故後、宇宙飛行士室のミッション開発部門副責任者として、事故調査と再建に尽力。1987年には、宇宙飛行士選考委員も務めています。

NASAへの復帰と国際宇宙ステーション

1989年から1996年までNASAを離れましたが、1996年に宇宙飛行士室に復帰。オペレーション計画部門に配属され、国際宇宙ステーション（ISS）の支援に向けた教育訓練などに携わりました。1997年6月から1998年6月には、オペレーション計画部門のチーフを務めました。その後、宇宙飛行士室の改組に伴い、1998年6月から1999年6月まで宇宙ステーションオペレーション/訓練部門の責任者を務め、さらに宇宙ステーション部門の責任者として、多数の宇宙飛行士と支援者を統括しました。また、宇宙ステーション計画に関する委員会や多国間委員会で、宇宙飛行士の代表を務めました。現在は、シャトル部門で技術的な業務に従事しています。

宇宙飛行経験

1984年11月8日、STS-51-Aミッションでミッションスペシャリストとして宇宙へ飛び立ちました。フレデリック・ホーク（機長）、デビッド・ウォーカー（パイロット）、デール・ガードナー、ジョセフ・アレンとともに宇宙を訪れ、192時間を宇宙で過ごしました。

STS-51-Aの飛行で、フィッシャーは初めて宇宙へ行った「母親」となりました。

アンナ・リー・フィッシャーは、科学者、医師、宇宙飛行士としての多岐にわたる経験を通じて、宇宙開発に大きく貢献した人物です。

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