STS-76

STS-76：スペースシャトル、ミール宇宙ステーションへの重要なミッション

STS-76は、アメリカ航空宇宙局（NASA）が1996年3月に行ったスペースシャトルのミッションであり、アトランティス宇宙船にとっては16回目の飛行でした。1996年3月22日にケネディ宇宙センターから打ち上げられ、9日間のミッションで地球を145周、約610万kmを移動した後、3月31日にエドワーズ空軍基地に着陸しました。

ミッションの目的

このミッションの主要な目的は、シャトル・ミール計画の一環として、スペースシャトルがロシアの宇宙ステーション「ミール」とドッキングすることでした。このドッキングは3回目となり、シャノン・ルシッド宇宙飛行士がミールに滞在していたノーマン・サガード宇宙飛行士と交代しました。

主要な出来事

シャノン・ルシッドのミール長期滞在開始：ルシッドはミールに約4か月半滞在し、宇宙ステーションに滞在する最初のアメリカ人女性となりました。また、彼女の滞在は、アメリカ人による宇宙滞在期間の記録を更新しました。
スペースハブの利用：STS-76では、スペースハブのモジュールが初めて使用され、ミールへの補給品や実験装置の輸送に利用されました。
ドッキング：アトランティスは、STS-74で使用されたのと同じ方法でミールに接近し、3月24日にドッキングに成功しました。ドッキング後、ハッチが開き、ミールに滞在していた宇宙飛行士たちがアトランティスの到着を歓迎しました。
物資の輸送：5日間のドッキング期間中、水、科学機器、材料、補給品など、約2.7トンもの物資がミールに輸送されました。また、実験サンプルや不要になった機器がアトランティスに運び込まれました。
船外活動（EVA）：ゴドウィンとクリフォードは、ドッキングした宇宙船の周囲で船外活動を行い、ミールのドッキングモジュールに4つの実験装置を取り付けました。この実験では、ミール周辺の宇宙環境が18ヶ月にわたって調査されました。
科学実験：バイオラックと呼ばれる施設で、植物、組織、細胞、細菌、昆虫に対する微小重力や宇宙線の影響、骨喪失に対する微小重力の影響など、11の科学実験が行われました。

乗組員

ケヴィン・チルトン（船長）
リチャード・シーアフォス（操縦手）
ロナルド・セガ（ミッションスペシャリスト1）
マイケル・クリフォード（ミッションスペシャリスト2）
リンダ・ゴドウィン（ミッションスペシャリスト3）
シャノン・ルシッド（ミッションスペシャリスト4）

まとめ

STS-76は、アメリカとロシアの宇宙協力における重要な一歩であり、宇宙ステーションでの長期滞在の可能性を示しました。また、科学実験や技術開発においても大きな成果を上げ、その後の宇宙探査に貢献しました。

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