S/2004 S 28

S/2004 S 28は、土星を周回する小さな衛星の一つです。2019年10月7日に、スコット・S・シェパード、デビッド・C・ジューイット、ジャン・クレイナの観測チームによって発見され、小惑星センターのサーキュラーで報告されました。この発見は、すばる望遠鏡を用いて行われた観測データに基づいており、2004年12月12日から2006年2月2日にかけて取得されたデータから特定されました。

発見報告が2019年に行われたにもかかわらず、仮符号が「2004」となっているのは、観測データが過去のものであるためです。この一連の観測では、合計20個の新しい土星の衛星が発見されました。S/2004 S 28はそのうちの一つです。

この衛星の推定直径は約4kmと小さく、軌道傾斜角が170°の逆行軌道を持っています。この特徴から、北欧群に分類されています。北欧群に属する他の小さな衛星と同様に、S/2004 S 28も、過去に大きな母天体が衝突によって破壊された際に生じた破片である可能性が考えられています。

S/2004 S 28を含む20個の新衛星の発見報告と同時に、これらの衛星に付ける固有名の一般公募が発表されました。S/2004 S 28は北欧群に属しているため、北欧神話に登場する巨人にちなんだ名称が与えられる予定です。公募は2019年10月7日から12月6日の期間で行われ、その後、選考を経て名称が決定、発表されます。

同様の衛星名一般公募は、シェパードらのチームが2018年に発見した木星の衛星に対しても行われています。これにより、天文学の分野に一般の人々が参加し、親しみを持つ機会が提供されています。

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