S/2004 S 33

Thiazzi（ティアッツィ、仮符号S/2004 S 3|S_2004 S 33）は、土星の第63番目の衛星として知られています。

発見と命名

この衛星は、2019年10月8日にスコット・S・シェパード、デビッド・C・ジューイット、ジャン・クレイナの観測チームによって発見され、小惑星センターのサーキュラーで報告されました。発見当初はS/2004 S 3|S_2004 S 33という仮符号が与えられました。観測にはすばる望遠鏡が使用され、2004年12月12日から2007年3月22日までの観測データから発見に至りました。仮符号が2004となっているのは、観測データがその時期に取得されたためです。この一連の観測で、合計20個の土星の新衛星が発見されました。

2021年8月10日には、小惑星センター（MPC）が発行した小惑星回報「M.P.C. 133821」にて、Saturn LXIIIという確定番号が与えられました。

S/2004 S 3|S_2004 S 33を含む20個の新衛星が発見された際、これらの衛星の固有名が一般公募されることが発表されました。Thiazziは北欧群に属するため、北欧神話に登場する巨人にちなんだ名称が与えられることになり、2019年10月7日から12月6日にかけて公募が行われました。公募された名称案の選考を経て、2022年8月24日、国際天文学連合の惑星系の命名に関するワーキンググループ（WGPSN）は、北欧群に属する10個の逆行衛星の正式名称を公表しました。この発表で、S/2004 S 3|S_2004 S 33はThiazziと命名されました。Thiazziという名称は、北欧神話に登場する巨人アルヴァルディの息子であるスィアチに由来しています。

特徴

Thiazziは、推定直径が4km程度の小さな衛星です。軌道傾斜角160°の逆行軌道を持ち、土星の不規則衛星である北欧群に属しています。この群に属する他の小さい衛星と同様に、Thiazziもかつて存在した大きな母天体が衝突によって破壊された際の破片である可能性が高いと考えられています。この衛星の発見と命名は、土星の衛星系の複雑さと多様性を理解する上で重要な一歩となっています。

この衛星の詳しい観測や分析を通して、土星の衛星形成の過程や、太陽系の初期の環境について、更なる知見が得られることが期待されます。

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