S/2004 S 35

アルヴァルディ (Alvaldi) について

アルヴァルディは、土星の第65番目の衛星であり、仮符号S/2004 S 3|S_2004 S 35として知られていました。この衛星は、2019年10月8日にスコット・S・シェパード氏、デビッド・C・ジューイット氏、ジャン・クレイナ氏らの観測チームによって発見が報告されました。

発見と命名の経緯

アルヴァルディの発見には、すばる望遠鏡が使用されました。観測データは2004年12月12日から2006年2月25日にかけて取得されたもので、このデータから2019年に発見が報告されました。発見報告が2019年であるにもかかわらず、仮符号が2004となっているのはそのためです。この一連の観測では、合わせて20個の土星の新しい衛星が発見されています。

2021年8月10日には、小惑星センター（MPC）から小惑星回報「M.P.C. 133821」が発表され、アルヴァルディには確定番号「Saturn LXV」が与えられました。

20個の新衛星の発見が報告された際、これらの衛星の固有名を一般公募することが同時に発表されました。アルヴァルディは北欧群に属しているため、北欧神話に登場する巨人にちなんだ名称が与えられることになりました。公募は2019年10月7日から12月6日にかけて行われ、その後、選考を経て2022年8月24日に国際天文学連合の惑星系の命名に関するワーキンググループ（WGPSN）が、北欧群に属する10個の逆行衛星の正式名称を公表しました。この発表で、S/2004 S 3|S_2004 S 35は「アルヴァルディ」と命名されました。

アルヴァルディという名前は、北欧神話に登場する巨人スィアチの父であり、莫大な資産を持つことで知られる巨人アルヴァルディに由来します。

アルヴァルディの特徴

アルヴァルディは、推定直径が4kmと非常に小さな衛星です。軌道傾斜角177°の逆行軌道を持ち、北欧群に属しています。北欧群に属する他の小さな衛星と同様に、アルヴァルディもかつて存在した大きな母天体が衝突によって破壊された際の破片である可能性が高いと考えられています。

補足

発見日: 2019年10月8日（観測データは2004年から2006年）
仮符号: S/2004 S 3|S_2004 S 35
確定番号: Saturn LXV
名称: アルヴァルディ（Alvaldi）
由来: 北欧神話の巨人アルヴァルディ
直径: 推定約4km
軌道: 逆行軌道、軌道傾斜角177°
所属: 北欧群

アルヴァルディは、土星の衛星の中でも特に小さく、その起源や特性は、太陽系の形成と進化を理解する上で重要な手がかりとなります。

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