S/2004 S 39

S/2004 S 3|S_2004 S 39 は、土星の衛星の一つで、2019年10月8日に、スコット・S・シェパード、デビッド・C・ジューイット、ジャン・クレイナらの観測チームによって発見が報告されました。この発見は、小惑星センターのサーキュラーを通じて公表され、発見当初は S/2004 S 3|S_2004 S 39 という仮符号が与えられました。

観測には、すばる望遠鏡が用いられました。実際の観測データは、2004年12月12日から2007年3月21日にかけて取得されたものであり、発見報告が2019年と遅れたのは、この過去のデータから新衛星が発見されたためです。この一連の観測では、S/2004 S 3|S_2004 S 39 を含む合計20個もの土星の新しい衛星が発見されるという大きな成果がありました。

S/2004 S 3|S_2004 S 39 は、推定直径がわずか2kmほどの小さな衛星です。その軌道は特徴的で、軌道傾斜角167°という逆行軌道を持っています。これは、土星の他の衛星の多くとは逆方向に公転していることを意味します。また、この衛星は北欧群と呼ばれるグループに属しています。北欧群は、同様に小さな逆行軌道を持つ衛星群で構成されており、これらの衛星は、かつて存在した大きな母天体が衝突によって破壊された際に生じた破片であると考えられています。

この衛星の発見報告と同時に、国際天文学連合は、S/2004 S 3|S_2004 S 39 を含む20個の新衛星に対して、一般から固有名を公募することを発表しました。S/2004 S 3|S_2004 S 39 は北欧群に属するため、その名称は北欧神話に登場する巨人にちなんだものになる予定です。公募期間は2019年10月7日から12月6日までで、その後、選考を経て正式な名称が決定、発表されることになっています。なお、同様の衛星名の一般公募は、シェパードらのチームが2018年に発見した木星の衛星に対しても行われています。

S/2004 S 3|S_2004 S 39 の発見は、土星の衛星系の多様性と、過去の天体衝突の歴史を研究する上で重要な手がかりを提供しています。この小さな衛星に、どのような名前が与えられるか、今後の発表が待たれます。

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