Sd Kfz 231

Sd Kfz 231 (8-Rad)の概要

Sd Kfz 231 (8-Rad)は、第二次世界大戦中にドイツが開発した偵察用の重装甲車です。本車は、1936年から1943年9月にかけて合計607両が生産され、その中には無線機搭載型のSd Kfz 232 (8-Rad)も含まれています。

開発の背景

この車両は、1934年に開始された重装甲偵察車の開発計画に基づいて誕生し、ビュッシング-NAG社がシャーシを、ドイッチュ・ヴェルケ社が車体をそれぞれ担当し、シッヒャウ社によって最終組み立てが行われました。初期にはSd Kfz 233という名称で呼ばれていましたが、1939年10月に231に改称され、6輪重装甲車を置き換えることになりました。

構造と性能

Sd Kfz 231の開発では、元々の民生用トラックのシャーシを流用したために走行性能には課題がありました。そこで、ビュッシング-NAG社は新たに8輪全てが駆動・操向できるSG型車台を開発しました。この構造により、比較の対象となる以前のトラック車両に比べて不整地での走破能力が大幅に向上しました。

車両本体には、砲塔バスケット付きの小型砲塔が装備され、2cm KwK30（後にKwK38）機関砲と7.92mm MG34機関銃が一門ずつ搭載されました。また、急速後退が可能なように後部運転席が設けられ、指揮官、砲手、ドライバー、後部ドライバーの4人が乗員として配置されます。これにより、敵の位置を暴露させるための危険な威力偵察任務を遂行することが可能です。

課題と改良

しかし、構造の複雑さや高コストが生産や整備の妨げとなり、特に戦闘力に対して高価であるとの批判がありました。はっきりした例として、戦後の西ドイツ陸軍が採用した8輪装甲車ルクスも同様の特徴を持っていました。Sd Kfz 231は1939年のポーランド侵攻から機械化捜索大隊で使用されましたが、数量が不足していたため、Sd Kfz 222などの4輪装甲車が補完的に使用されることとなりました。

車両の装甲についても薄いことが課題となり、装甲前方下部に8mm厚の増加装甲が追加されました。さらに、1942年5月から生産された後期型では、最大装甲厚が14.5mmから30mmに強化され、エンジン出力も180hpに向上しています。

終焉とその後

Sd Kfz 231のシリーズは後継のSd Kfz 234系に置き換わることになりましたが、戦争終結までに生産された607両は一定数が生き残り、戦後もそのまま使用が続けられました。

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